パッシブハウス認定について
パッシブハウスとは、環境先進国ドイツにあるパッシブハウス研究所で提唱している省エネ基準を満たした建築物のことを指しています。
そのため、パッシブハウスを謳うためには正式に認定を取得する必要がありますが、「パッシブな設計をした」という解釈のみでパッシブハウスと謳っている住宅もあります。
しかし、それは本来のパッシブハウスではない可能性がありますので、その点には注意が必要です。
認定取得には、エネルギー性能が基準を満たしているか?の審査を受ける必要がありますが、現在はパッシブハウスジャパン(以下、PHJ)の森代表が認定者の資格を有していますので、基本的には日本国内で認定取得が可能になっております。
その審査を受ける為には、基準を満たしていることを証明する認定図書を作成する必要がありますが、その資料は主に下記です。
・シミュレーションソフトである「PHPP(パッシブハウス・プランニング・パッケージ)」の入力データ
・PHPPの入力内容を示す根拠資料
これらの資料が、初めてパッシブハウスに挑戦する方はもちろんのこと、余程パッシブハウスのことを理解していないと到底作成出来るものではありません。
そこで、私を始めとする全国で10名ほどの「パッシブハウス認定サポーター」にコンサルティングを依頼して、パッシブハウス認定を目指すことになります。
パッシブハウス基準の詳細については、Column032パッシブハウスを知る-初めにをご参照下さいませ。
計画概要
本計画は、埼玉県志木市の有限会社ヨダ工務店さん代表のご自宅をパッシブハウスにする計画です。
建築地も会社と同じ志木市を予定しており、志木市では初めてのパッシブハウス認定取得を目指します。
今現在、住まい手であるエンドユーザーから直接「パッシブハウス認定を取得したい!」と依頼される事案は余りなく、造り手である設計事務所や工務店からのご依頼、いわゆるご自宅の計画が大半です。
大きい理由の1つが、日々生活することでその生の体感をお客様にお話しすることが出来たり、お客様にも体感頂くことが可能でモデルハウス的に活用出来るため、営業の一環として建てることです。
また、プロであるが故にパッシブハウスの良さが理解出来て「住んでみたい!」という気持ちになるのかなと理解しています。
では、何故エンドユーザーからの依頼がないのか?
ここでの大きな理由は、パッシブハウスそのものが知られていないことがあります。
PHJが出来て10年以上経ちますが、現在日本にあるパッシブハウスは40棟弱しかありません。
パッシブハウスは、快適で健康的に暮らすための良い家づくりだと言えますが、その良さをエンドユーザーに知って頂くために技術論のみでご説明するのはなかなか難しいことで、重要なことは体感頂くことです。
従って、体感の場としてもパッシブハウスを増やしていくことは重要で、PHJ賛助会員の方々はその努力を日々されています。
その甲斐もあり、ここ数年の伸びは大変なもので、現在も設計中や施工中の案件がかなりあります。
依田さんもその一人に加わるべく、今回のチャレンジとなっております。
普段、省エネや温熱性能を考えた住まいづくりをされている方でも、パッシブハウスにする為に求められる性能には驚かれます。
私はそんな内容を1つ1つご説明しコンサルティングしながら、依田さんの目指すパッシブハウスになるべくサポートしていきたいと思っております。
今後は、そのコンサルティングの内容を(可能な範囲になりますが)ご紹介出来ればと思っております。