House-HT-10 断熱・防湿工事

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付加断熱工事

断熱仕様の決定には、PHPPというエネルギーシミュレーションソフトを使い検討しています。

基本的には、暖房需要と冷房需要の変化をみながら本プロジェクト上で最適と思われる厚みとしますが、Ua値のみで検討する日本の省エネ基準と違い、それに加え、冬の場合は「日射取得」や「内部発生熱」を、夏の場合は「日射遮蔽」や「夜間通風」なども考慮の上決定するので、その精度はものすごく高まります。

今回は、屋根付加断熱を「ネオマフォームt80」、壁付加断熱を「高性能グラスウールt105」としております。

壁付加断熱も屋根と同様にネオマフォームで施工する方法もありましたが、今回はコストバランスを考えてグラスウールを選択することにしました。

いずれにせよ、次に紹介します充填断熱と合わせて、パッシブハウスと遜色のない性能を有しています。

 

充填断熱工事

屋根充填断熱は、真壁納めのLD吹抜部分は登り梁を表しとしたかったので、梁成の半分を「高性能グラスウールt105」で充填しましたが、2階の北側勾配天井は仕様を上げて「高性能グラスウールt120×2層」としました。

本来であれば、北も南も同じ性能が望ましいですが、居室の用途が違うので多少の違いは許容範囲と考えて、若干デザインを優先しました。

壁充填断熱は、マツナガのセルローズファイバーt100を基準としていますが、配線層を設ける部分は柱一杯に充填可能ですのでt120としています。

本案件は日射取得条件が良く、また「Smartwin」という超高性能木製窓を採用しているので、いつもより断熱材を加減して施工することが出来ています。

尚、加減しているとはいえ、日本の一般的な省エネ住宅と比べても高性能であることは言うまでもありません。

 

防湿工事

今回は、壁付加断熱で高性能グラスウールt105を施工して、尚且つ、面材にハイベストウッドを採用しているので、基本的に殆どの条件で内部結露は起こりません。

しかし、防湿シートを張った方が有利側であることは間違いないので、理由がない限りは省略せず施工します。

また、材料は相対湿度によって性質が変化する可変調湿シートを採用していますが、今回はHGGWをマグイゾベールのイゾベール・コンフォート24Kを採用したので、シートもマグの「イゾベール・バリオ エクストラセーフ」を採用しました。

大工さんに使い易いとの感想を頂いたので、引き続き使っていこうかなと思っています。

最後に念のため書いておきますが、、
今回は外部の構造用面材で気密性能を確保しているので、あえて「気密シート」とは表現していませんが、気密シートの役割もきちんと果たしており、予備気密層と表現出来るかもしれません。

 

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