House-HT-12 仕上げ工事

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外壁仕上げ

窯業系サイディング以外の材料であれば、私のこだわりは持たないようにしておりまして、お施主様のご希望をお聞きして使用する材料を決めておりますが、今回は焼杉をご希望頂きました。

焼杉は、表面を焼いて炭化させることで板の劣化を遅らせようと考えられた昔からある材料です。
表面の炭が風化して落ちるまでに長い年月が掛かりますので、基本的にメンテナンスは不要ですが、自然素材であるがゆえに部位等によって差がありますので、使用するには一定の理解が必要になる材料でもあります。

また焼杉は表面が落ち着くまで炭で汚れが付きやすいこともあり、玄関廻りや庭にあたる南面はウッドロングエコの杉板を採用して外観をデザインしてみました。

黒一色でもかっこよいのですが、ちょっと重い感じがありますので、ちょうどよい仕上がり感になったかと思います。

 

屋根仕上げ

屋根仕上げは、耐久性などを考慮して基本的にはガルバリウム鋼板葺きを採用しております。
葺き方は「たてハゼ」や「横葺き」などがありますが、お客様からご要望がない限りはたてハゼ葺きを採用しております。

また使用する色については、基本的には落ち着きのあるダークグレー系を採用しますが、色を変えることがあるとすればPHPPでのシミュレーション上で明るい色が有利な場合です。

黒を始めとする濃い色は熱を吸収しやすいことは皆さんご存知かと思いますが、以外と言っては何ですが、シミュレーションすると暖房・冷房需要に影響があることが分かります。

よって冬に有利なのは濃い色ということになりますが、夏が厳しい東京以西では明るめの色を採用すると良いかもしれません。
尚、明るい色は反射しやすくなって近隣に影響を及ぼすこともありますので、別の注意が必要になるかもしれませんね。

 

内部仕上げ

壁・天井については、自然素材を原料とする材料を使用するようにしております。
そんな自然素材の中でも「土壁を使ってみたい」と以前より思っていたのですが、本案件は1階リビング吹抜周りを「土壁漆喰」とすることが出来ました。

お客様より「何かやりたいことは無いですか?」という有難いご提案に乗る形で実現した土壁ですが、調湿性や蓄熱性などの土壁効果もさることながら、その風合いなどの見た目の良さを再認識しております。

床については、無垢フローリングとリノリウム張で構成しています。

フローリングは輸入品の「オーク」を採用される方が多い印象ですが、今回は北海道産の「ナラ無垢フローリング(チャネルオリジナル)」を採用してみました。
初めて使用しましたが、木目の良さを感じることが出来ましたので、今後もご提案していきたい材料となりました。

その他、今回はフローリングを1階と2階で張り分けまして、1階は先ほどご紹介しましたナラ無垢フローリングで、2階は「桜無垢フローリング(チャネルオリジナル)」としました。

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