M-BLOG 2026.06月号

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プロローグ

3~4年ぐらい前までは、梅雨明けにエアコンを入れ始めても個人的には大丈夫だったのですが、もう夏なのか?と思う暑さのある5月を過ごし、いよいよ、以前の季節感はもうないなと思う今日この頃です。

さて、早くも6月を迎えたわけですが、弊社としては1年の始まりでもある6月です。
弊社は、個人事業主を経て法人化してから8期目(創業18期目)を迎えました。

この間、住宅建築を中心に色々なお仕事をさせて頂きました。
会社の創業当時からいわゆる高性能住宅(当時はそのような呼称では思っていなかった)の設計を目指して勉強の日々でしたが、一番初めに、これは高性能住宅だな、と言える住宅を設計させて頂いたのが「木と樹の家」で、かれこれ10年前の出来事です。

家の断熱性能は「Ua値 0.24W/㎡・K」を有していて、今でも高い水準の性能です。
また、今でも採用例としては少ないと思いますが、アメニティエアコンとダクト式熱交換型換気システムを接続した「全館空調システム」を採用したり、地下付きの計画だったりと、今思い返してもとても難易度の高いプロジェクトだったと思います。

そのプロジェクトは、雑誌・ビルダーズが主催するエコハウス大賞で優秀賞を受賞出来たのですが、個人的にはやってきたことが間違いではなかったと思えるなど、その後の仕事に良い影響を与えたお仕事でした。

その後の十年間でパッシブハウスを始めるとする高性能住宅の設計(やコンサルティング業)に取り組んで来ましたが、その取り組み方としては、自分が設計したい住宅というよりもクライアントの望む家を目指して設計して来たように思います。
まあ、クライアントの住まいですからクライアントの望む家なのは当然なのですが、「プロとして思う、より良い提案をどの様に受け入れてもらうか?」という部分は、控えめだったというのが個人的な振り返りです。

それでは、今号の目次です。
1.住宅設計について思う-2026年
2.高性能賃貸住宅は増えるのか-その1

先に書いた取り組み方は、実際は年々変化しているのですが、今回は
最近思う・感じる住宅建築の取り組み・関わり方を書いてみたいと思います。

 

1.住宅設計について思う-2026年

皆様は、漫画って読みますか?
漫画には、歴史系やスポーツ系、格闘系など色々なジャンルがありますが、私が現在読んでいる漫画の1つに「ブルージャイアント」というジャズのテナーサックス奏者を題材にした音楽系の漫画があります。

彼、そのテナーサックス奏者である宮本大は、自分勝手なプレイヤーです。
日本、ヨーロッパ、アメリカと舞台を変えていきますが、その場所に合わせるということはしない。
自分自身のまま、真剣に、真摯に、世界一のテナーサックスプレイヤーを目指しています。
その姿に共感した人々が彼を助けたり、仲間になったりして、物語が進んでいきますが、関わる人たちもまた素敵な人たちで涙なしでは読めません(笑)

最近、この漫画を読んでいると、自分はどうだろうか?と自問自答することが良くあります。
「設計する」ということにどれだけ真剣に真摯に取り組んでいるのだろうかと。

誤解がない様に書いておきますが、最近の設計で手を抜いているわけではありません。
これまでと同様にクライアントのご希望をお聞きして、数多のやり取りを交わしながら、より最適解となるような設計を目指しています。
また、完成した住まいで暮らされているクライアントとお話しする機会では、皆様一様にご満足頂いているようには感じますので、日々の仕事に一定の評価を頂いていると思っています。

ここで1つ言えることは、
自分の満足度とクライアントの満足度は違う、ということはあるかもしれません。
クライアントが満足した様子ですと安心はするのですが、それで自分の満足度が上がるわけではありません。
満足しないことは向上心だと捉えれば、それはそれで良いことだとは思いますが、個人的には違う感情のような気もしています。

住宅建築の難しいところは、音楽などの芸術系と違い、設計者本意で物事が進まないところです。
まあ、個人的にはそこに面白さを感じているとも言えるのですが、もう少し設計者本意になると何か違った世界が見えてくる気もします。

結局、冒頭に書いたような「プロとして思う、より良い提案をどの様に受け入れてもらうか?」が設計者本意に近いとは思いますが、クライアントが納得しないことには単に設計者の我儘になってしまいますので、そのバランスが非常に難しいです。

う~ん、自問自答が続きますが(笑)
迷いながらも、今日も明日もクライアントの為に、より最適解を目指して設計を進めます。

 

2.高性能賃貸住宅は増えるのか-その1

以前にも少し書かせて頂きましたが、最近は高性能賃貸住宅というものが増えています。

ちなみに、ここでいう「高性能」とは、主に「断熱性能」のことを指すことが多いと思います。
今までの賃貸住宅、いや今も一般的に造られている賃貸住宅は、住まい手のことなど考えておらず、利回りが計画の中心となっている為に温度・湿度環境が整わない、いわゆる「夏暑くて、冬寒い」賃貸住宅が殆どだと思いますが、それらの賃貸住宅と比較して「高性能」だという意味です。

まあ、昨年から小規模の戸建て住宅レベルでも一定の断熱性能を有することが法律になったことが影響して、今までの賃貸住宅と比較するとマシにはなっているとは思いますが、きちんと施工出来ているのかは甚だ疑問です。

それらを踏まえると、賃貸住宅の高性能化は始まったばかりで、これから住まい手の評価を得ながら真価が問われていくのだと思います。

さて、私自身も高性能賃貸住宅が増えた方が良いと思うひとりですが、私が考える「高性能」は少し違いまして、「屋内を快適にする」という側面からは同じではありますが、温度・湿度以外にも「触るもの」「見えるもの」も快適になるような素材をつかった「サステナブル賃貸住宅」が私の考える高性能賃貸です。

いわゆる、自然素材を使った住宅、ということにはなるのですが、自然素材の良いところは
・触り心地や風合いが良い
ということ以外に
・(メンテナンスしながら)長く使える
というメリットがある点で、この長く使えるという点が「サステナブル」ですね。

反対に、自然素材のデメリットを書くと、
・(良い状態を保つために)日々のメンテナンスが必要
となるところです。

多くの賃貸住宅が自然素材を採用しない理由もここにあって、どんな人が暮らすのか分からない為にメンテナンスが(殆ど)不要な材料が選択されることになります。
これらは、いわゆる新建材という作られた素材で、ビニールクロスや合板フローリングなどがこの部類に入りますが、これら材料のデメリットは使えば使うほど劣化する、という点です。

これらが原因で多くの賃貸住宅は、新築が人気、中古が不人気ということになりますが、これって何か違いませんか?

賃貸は仮の住まいだから良い、という考えもあろうかと思いますが、昨今は物価の高騰で住宅を所有することが難しくなっていますし、男女ともに生涯未婚率が上がっていることを考えると「一生を賃貸で暮らす」ということも大いに考えられます。

そうだとすれば、賃貸住宅であろうとも、愛着の持てることは重要なことではないでしょうか。
また、愛着を持てれば、長く賃貸することにもなりますので、賃貸事業としても悪くない話しです。

ここで、ちょっと話しが前後してしまうのですが、サステナブルについて、少し書きたいと思いますが、、
これは次回の話しとします。

最後に、弊社は戸建て住宅という分野で、
・サステナブルでパッシブな住まいづくり
を心掛けて設計に取り組んで来ましたが、これらの知識・技術は賃貸住宅でも活きますので、今までの賃貸とは違う計画をご検討されている方は、是非ご相談頂ければと思います。

―――――

以上です。
今号もご愛読ありがとうございました。
次号以降も宜しくお願い致します。

ArchiAtelierMA株式会社
代表取締役 丸山晃寿

 

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