プロローグ
ようやく寒波も過ぎて、寒さも和らいできたように思います。
私の場合は、鼻がムズムズしてくることで春の到来を予感するわけですが(笑)、いずれにしても季節の変わり目は、屋内の温湿度環境にも変化が訪れるなど調整が難しくなる時期ですね。
さて、私は比較的スポーツ観戦が好きなので、サッカーワールドカップやオリンピックなどの国際イベントは比較的TVなどで観戦する方なのですが、ほぼ初めて観戦しないままに今年のオリンピックが終わりました。
正直に書くと、オリンピックが開催されていたことすら、開催中盤までは知りませんでした。。
というもの、実はTV視聴を止めたことがその理由の1つなのですが、それの弊害として世の中の情報があまり把握出来なくなりました。
ちなみに、WEB検索は仕事で部材などを調べることもあってやらない日は殆どないのですが、それをしていてもオリンピックを知るには至りませんでした。
WEBに関しては、知りたいことを調べるために行うために、それ以外の情報には触れる機会がないのかもしれませんが、それは自分の知り得る情報が偏る可能性を秘めています。
個人的には、バランス感覚的なことを大事にしていますので、偏った情報のみに自身の考え方が左右されることは避けたいですので、何か情報の偏りを抑えるような工夫は必要だなと感じているところです。
それでは、今号の目次です。
1.建築と不動産のあいだ、というお話し
2.技術者としての立ち位置
「建築と不動産のあいだ」は、最近知り合うことになった創造系不動産の高橋氏が作った言葉だと思いますが、お話しをお聞きしたり著書を拝読して思ったその「あいだ」のことについて書いています。
2.技術者~は、建築士としてパッシブハウスに関わる意味みたいなことを書いてみました。
その他詳しくは、本文をご覧頂ければと思います。
1.建築と不動産のあいだ、というお話し
私は、サステナブル社会の実現には、建築ストックの積極利用が不可欠だと思っています。
自宅リノベマンションもその一環であり、日々建築ストックの在り方みたいなことも考えているわけですが、その一端として、東京建築士会のストック委員会に在籍しています。
この委員会は建築ストックに関わる様々な専門家が在籍していて、委員会内の意見交換を聞いているだけでも大変価値のある時間になっていますが、先日、その委員会主催のセミナーが開催されました。
主なターゲットは新たに建築士資格を得た方々で、主題でもあった「ストック時代を生きる実践セミナー」からもわかる通りに全建築士のためになるセミナーでしたが、そこで先ほど紹介させて頂いた創造系不動産の高橋氏と知り合う機会がありました。
創造系不動産のことは以前より耳にしてはいましたが、実際に何をされているかまでは詳しく把握していなかったのですが、今回「建築と不動産のあいだを追求する」ということを使命に創造系不動産を立ち上げたことを知りました。
詳しく書くと長くなるので、大雑把に書きます(詳しくは、高橋氏の著書をご覧ください)が、
例えば、土地取得から戸建て住宅建築を検討するクライアントの多くは、土地を購入されてから住宅建築を相談できる設計事務所若しくは工務店を探すことが多いかと思います。
これは、それらが別のことと認識していることに他ならないのですが、実は、お互いに切り離して考えることが出来ない関係であり、その建築と不動産のあいだで必要な解決すべき要素をクライアントの方々に提供したい、ということだと私は理解しています。
それらのことを知った私の率直な感想が「同じことを考えている人がいた」ということです。
私の過去のコラム(column045 土地探しを考える)などでも書いていますが、土地を探している方で建築されない方はほぼ存在せず、基本的には住宅等を建築されたいから土地を探しています。
よって、実際は土地探しの段階から建築のことを考えないといけないわけですが、不動産会社は建築のプロではない為に土地探しの段階できちんとした建築的アドバイスが行えるわけではありませんので、土地探しの段階で建築的な相談が可能な依頼したい設計事務所若しくは工務店を決定しておくべき、としつこく書いているわけです。
更に土地購入や建築のことを考えると、宅建士や建築士の他に、金融機関(住宅ローンなど)や土地家屋調査士、司法書士など様々な職種の方と打合せが必要で、場合によってはクライアントの方々は全ての方を相手にしないといけないことにもなり得ます。
弊社では、(クライアントの希望があれば)先の方々をご紹介出来るようにしていて、また、クライアントの負担を減らせるように私が代わりに打合せ等を行うことで、不動産(土地購入)と建築のあいだを取り持つような進め方もしています。
要は、私は建築士という立場で「あいだ」を埋めていますが、高橋氏は宅建士という立場で埋めているというイメージかなと思いますが、高橋氏の凄いところはその「あいだ」を仕事として明確にして報酬を得ている所です。
ちなみに、高橋氏は元々は建築家を目指していた一級建築士でもあるので、建築目線をもった宅建士という側面もありまして、今までにいないタイプの不動産会社と言えると思いますが、一般施主(クライアント)からの依頼は受けていないそうで、宅建士として建築士ときちんとコラボレーションしたいビジョンが明確にあることも素晴らしいことだと思います。
最後に、弊社では先の「あいだを埋める業務」はサービスで行っているのですが、もっと業務を明確にして報酬を得られるようにすることも大事かもしれない、と思わされたそんな出会いでもありました。
2.技術者としての立ち位置
パッシブハウスをやらない(又は推奨しない)建築士の言い訳の1つとして、、
・住宅性能として、そんな高性能なモノは必要ない
というものがあります。
しかし、その言い訳をする殆どの方はパッシブハウスを設計若しくは施工したことがありません。
何故、やったこともないモノに対して「必要ない」と言い切れるのか?が不思議なのですが、もっと書くと、パッシブハウスの詳細な部分すら知らずに言い訳する方々でもあります。
私は、パッシブハウスをやりたいけど出来ないプロ(設計・施工問わず)から相談などを受けることはありますが、そういった場では必ず「出来ない理由を探すのではなく、やるにはどうしたら良いのか考えた方が前向きで建設的ですよ」とアドバイスするようにしています。
要は、必要ないという方々は言い訳しているだけだと思っているのですが、逆に
・シミュレーションすることで、建物性能がきちんと評価出来る
→ 詳しくはこちらを PASSIVE HAUSE
ことは、取り組んだ方が良い理由として明確に存在します。
話しが少し脱線しますが、
歯科治療には、「保険診療」と「自費診療」という診療方法があります。
ざっくり書くと、、
・保険診療は、全国一律のルールで診療する
・自費診療は、材料・方法・時間(先のルールのこと)が選択できる診療
という違いです。
私自身、保険診療を主とする歯科医院しか通ったことがなかったのですが、最近、自費診療を取り入れている歯科医院に変えたことで、自費診療がどういったモノなのかを調べる・体験する機会がありました。
初回相談の時に色々と説明を受けたのですが、保険診療は診療時間も限られている(決まっている?)ようで、
・やりたい治療が出来ないことがあるから、自費診療を取り入れている
という説明を受けて、そういうものなのかと半信半疑な部分もあったのですが、実際の治療が(保険診療でも)とても丁寧だったことを受けて、
・自費診療を取り入れている医院は、きちんと治療したいという思いがある
のかなと、勝手に想像して好感を持ちました。
まあ、医師によるよね、と言われるとそれまでなのですが(笑)、この医院では各治療において、保険診療と自費診療のメリット・デメリットを説明してくれて、診察方法が選べます。
これは、その状況に応じて治療方法を選択出来る、ということだと思いますが、見方を変えると、
・医師の治療技術の奥が深いから選択できる
とも言えるのではないでしょうか。
私は歯科医師のことが詳しいわけではありませんが、自費診療を行うためには(保険診療しかしない医師と比較して)日々の研鑽が必要だと推察出来ますが、これはパッシブハウス設計(又はコンサル)が出来る建築士(以下、パッシブハウス技術者、と表現します)も同じことが言えると思います。
パッシブハウスとそれ以外の高性能住宅の違いは、正確にシミュレーションすることにあります。
そのシミュレーションには、、
・Ua値(屋根・壁などの断熱性能)計算
は当然として、
・隣地建物も考慮して、日射取得・遮蔽の効果を3D解析
・ヒートブリッジ(熱的な弱点)となる箇所の熱解析
など、通常(日本の基準)では行わない部分の性能も確認します。
また、気密性能も必要性能の1つの為に現地で気密測定も実施します。
この事実が意味することがどういったことかというと、パッシブハウス技術者は、
・日射取得や遮蔽、ヒートブリッジ、気密性能を考慮する時としない時の違いを知っている
ということです。
言い方を変えると、「各性能が良くなる方法を知っている」ということになりますが、パッシブハウス設計(又は施工、コンサル)未経験者はその違いを知りません。
これって、とても重要なことではないでしょうか。
先の歯科医師の話しに合わすと、知識・技術の奥が深いということになりますが、その奥の深さはパッシブハウス以外の環境系建築(省エネ住宅、エコハウス等)にも活きて来ることは、容易に想像できることかと思います。
さて、これから住宅建築をご検討の皆様へ
あなたが依頼する建築士は、知識・技術の浅い方が良いですか?それとも、深い方が良いですか?
もしも、深い方をご希望であれば、国内有数のパッシブハウス実績を誇る弊社へ是非ご相談頂ければと思います。
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以上です。
今号もご愛読ありがとうございました。
次号以降も宜しくお願い致します。
ArchiAtelierMA株式会社
代表取締役 丸山晃寿
