H-OY-06 木構造部の補強工事

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柱と梁

今回は既存の柱や梁を再利用する計画ですが、状態が悪い木材やプラン変更により必要になった柱と梁は交換や追加をします。

新築の場合は、下部の柱から順番に施工していけるので特に難しいことはないですが、既存改修の場合は、梁が掛かっている柱を交換することもありますので、「仮補強→交換・追加→仮補強解体」の繰り返し作業になり多くの時間と手間が掛かります。

また、既存の柱や梁が真っ直ぐとは限らないので、それらの垂直や水平を微調整する必要もあります。

スケルトン解体による改修は、多くの木材を再利用出来るメリットはありますが、大工さんの手間が新築の何倍も掛かりますので、思ったより費用面のメリットが少ないとは思います。

よって、既存住宅の改修を選択する場合は、コスト以外にも改修を選択する理由が必要かなと個人的には思っています。

 

構造金物

今まで何十棟も既存住宅の調査に参加してきましたが、築30年以上経つ住宅は構造金物が取り付いていないことが殆どです。
また、仮に設置されていたとしても適当な施工がされており、構造的には意味をなしていない状況です。

そういった背景がある中、本案件は築50年程度が経過している割には金物類が設置されている方でしたので、当時施工された大工さんの真面目さが垣間見える、そんな既存状況でした。

さて、多少は構造金物がある既存状況ですが、現行法に則した金物ではない為、基本的に金物は全て交換又は新規で設置します。

柱には柱脚・柱頭金物を設置しますが、今回は構造設計者が耐力バランスを考慮してくれたので、大きな耐力が必要なホールダウン金物(柱脚金物)はなく、ハイパーコーナー(10.kNまで)同等の金物で足りる設計になっています。

その他、梁に羽子板ボルトや必要に応じて梁受け金物や短冊金物を設置します。

 

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