プロローグ
毎年この時期は、天候が不安定なことも多いとは思いますが、今年はいつもにも増して天気の良い日が少ない様に感じます。
そのせいもあって、今年の桜はきちんと満開を見られていないという方も多いのではないでしょうか。
私自身も、近所の公園に走りに行ったついでに見た三分咲きの桜を最後にきちんと見ていないのですが、そもそも、ついでに見ようという魂胆が良くありません(笑)
桜は、お花見というイベントを通じて見ることが、風情があると言いますか、きちんと四季を楽しむことにつながりますし、文化継承とはそういったことの積み重ねだとすると、時短やタイパといった今の流れはちょっと違うのではないか?と思ったりもするわけですが、、皆様はきちんとお花見していますか?
それでは、今号の目次です。
1.照明によるメリハリのお話し1
2.照明によるメリハリのお話し2
書いていたら長くなったので、今月は照明のお話しのみになりました(笑)
照明は色温度によって与える雰囲気が違うと思いますが、最近、自宅で感じている色温度による効果を書いています。
現在若しくはこれから照明計画をされる皆様のご参考になればと思います。
1.照明によるメリハリのお話し1
照明は色温度によって見せる表情や雰囲気が違います。
それらの色温度は空の色にもありまして、例えば、日中の空は6000K(ケルビンと読みます)、朝日や夕焼けは2000K程度の色温度とされています。
ちなみに、全ての物質はその温度によって波長が違うようで、人の目にはそれが青やオレンジに見えているということらしいです(笑)
こんなことを書いていて、以前に照明について書いたことを思い出しました。
この時はあくまで一般論的な内容ですが、今日の前段として読むにはちょうど良いとも思いましたので、リンクを張っておきます。
→ column033 採光と照明を考える
さて、空の色に色温度があるように照明にも色温度がありまして、昼白色は5000K程度、電球色は2700K程度です。
最近では、昼白色と電球色の間の温白色という種類も登場していて3500K程度の色温度です。
日本では昼白色の電球(以下、器具に同じ)を使用されている方が多いとは思いますが、ヨーロッパでは電球色の照明が好まれている、というのは良く知られていると思います。
では、この違いは何から来ることなのか?
少し調べて見ると、ヨーロッパでは明るさより雰囲気を大事にしている、がその理由の1つらしいですが、弊社で設計打合せをしている際に電球色をお勧めすると、電球色は暗い、という回答が多いことを踏まえると、日本人は明るさの方に優先順位があるということかと思います。
ちなみに、本来は色(K)と明るさ(㏓)は別の話しではあるのですが、電球色を好まれている方は明るさを求めていないこともあり、空間デザインとして暗いイメージがついてしまっているのかもしれません。
更に専門的なことを書いておくと、
明るさには「ルーメン」と「ルクス」の2つの指標があり、ルーメンは照明器具が持つ光の量、ルクスは光が当たっている場所の明るさ、をそれぞれ指しており、例えば、ルーメンが高い照明器具を使用したとしても、光の当たる場所が離れていれば、実際の感覚としては明るく感じない、ということになります。
よって、照明計画をする場合は、照明器具の特徴(光束/ルーメン、照度/ルクス、光度/カンデラ)を読み解いて、どういった配置がその環境に合っているかを検討する必要があります。
2.照明によるメリハリのお話し2
前置きが長くなりましたが、ここからが私の体験から来るメリハリのお話しです。
昨年、私がリノベした中古マンションに引っ越したことは数回書かせて頂いていますが、日中を含めた明るさについての基本情報を先にご説明します。
まず、照明計画は暗めの設定です。
しかし、照度を落としている(要は明るくしない)ということではなくて、必要な場所にしか照明をつけていない、という空間デザインにしています。
例えば、弊社に来られたことがある方はご存じですが、廊下に照明はなくて玄関の薄明りのみです。

自宅ですので、暗くて躓くということもありませんので、明るい必要はありません。
また、空間のメリハリ(明暗差)は奥行き感を演出出来るメリットもあります。
更に付け加えると、壁面の仕上色にダークグレーを採用していて壁からの反射がないために、より暗さを演出出来ているトコは本人的には気に入っています(笑)
それと、先ほどから書いている色温度については、低めの2200~2700Kの器具を使用しています。
次に、日射(採光/日中のこと)による明るさについてです。
家の広さの割に窓が多いために、昼間に照明を使わなくても明るいです。
自宅兼事務所ですので仕事もしているわけですが、照明はほぼ使っていません。
尚、ほぼと書いたのは、雨の日など空が暗めの日は屋内も暗めになるため、その時はデスクにあるスタンド照明を点けています。

ここまで書いてお気づきの方もいるかもしれませんが、、
・昼間は色温度6000K程度、夜は色温度2500K程度
の明かりで私は日常生活を過ごしていることになります。
最近、この色温度の違いが日常生活においてのメリハリを作っていることに気づきました。
どういうことなのか?
元々、自宅兼事務所のデメリットとして、公私のメリハリがつかないというものがあります。
自宅購入する前は事務所と自宅を別々に賃貸していましたが、理由の1つがメリハリを作る為です。
自宅兼事務所にしたことで、このメリハリを心配していましたが、、
夕方から夜にかけて屋内がどんどん暗くなるのですが、この暗くなるという現象が仕事モードから解放される一役を担っていることに気が付きました。
言い方を変えると、仕事する気がなくなります(笑)
また、暗くなるにつれて、照明を1箇所ずつ足していくのですが、使用している照明の色温度が2700K程度のため、先の感覚(仕事モードから解放される)を阻害しません。
何故、阻害しないのか?
それは、夕焼けの色と同じだからではないでしょうか。
要は、人が持つバイオリズムとして「日中(色温度6000K程度)は活動時間」で「夜(2000K程度)は休息(睡眠)時間」のように刷り込まれているからではないか?と勝手に推察しています。
この感覚、実は一般的な住宅も同じなのではないでしょうか。
仕事から帰ってきた家の明るさとして、昼白色(5000K)的な明るさよりも電球色(2700K)的な明るさの方がリラックスする場所としては最適な方法ではないかと思うのです。
住宅の用途は人それぞれで、それに適した照明計画があると思いますが、
人が本来持つバイオリズムを意識しながら、活動の場とリラックスの場をきちんと分けて計画すると、より良い住まい環境になると思いますので、是非チャレンジしてみてください。

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以上です。
今号もご愛読ありがとうございました。
次号以降も宜しくお願い致します。
ArchiAtelierMA株式会社
代表取締役 丸山晃寿
