H-OY-04 実施設計から工事請負契約

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実施設計-外壁仕上編

弊社でご提案する外壁仕上げ材は、弊社のコンセプトでもあります「サステナブル性能」を満たす材料が基本です。

材料のサステナブル性能をもう少し具体的に書くと「耐久性」と「メンテナンス性」になりますが、全ての材料にメリット・デメリットがありますので、それらの性能に「コスト」「デザイン性」「お客様の好み」を加えて総合的に検討していくことになります。

ご提案については、まずはお客様の好み・希望をお聞きすることになりますが、今回は木板が良いとのお話が上がりました。

木板は弊社でも採用例の多い材料の1つですが、自然素材特有の風合いを経年変化として楽しめる良さがあります。
サステナブル性能の特徴でいれば、(日本に森林がある以上は)材料が無くならないことと交換のし易さが挙げられます。

逆にデメリットとしては、材料の腐朽などにより耐用年数が短くなることが考えられますが、きちんと乾燥させられる工夫をすれば耐用年数は長くすることが可能です。

尚、そもそも風合いの経年変化を「劣化」としか捉えられない方は、採用されない方が無難だと思います。

今回は、比較的安価な材料だった「焼杉」とアクセントとして一部を「杉板ファサードラタン仕上」で進めることになりました。

焼杉については、耐久性では通常の焼杉に劣る「炭をブラシで落としたタイプの焼杉」を採用されましたが、小さなお子様が触っても汚れにくいという特徴を優先されました。

 

実施設計-外構編

外構工事は、敷地の広さにより様々な可能性があります。
今回の敷地は、都市部ではかなり広い部類になりますが、改修建物は(道路からみて)敷地の奥に建てられていたので、アプローチの計画を考える必要がありました。

アプローチは、元々(道路側にある)母屋で利用していた部分を共用しても良かったですが、奥まで進むとどうしても狭くなる部分があった為に、若干遠回りにはなりますが、既存の庭をアプローチにする案をご提案しました。

また、そのご提案の理由として、庭を回ることで古い母屋が視界に入り難くなり、新居の我が家に帰って来た感の演出が出来ると思ったことも挙げられます。

お客様には、その両面を気に入って頂きまして、庭をアプローチとする案が採用されました。

 

工事請負契約

改修工事の場合は、工事金額の予想がしづらいことがありますので、実施設計の序盤で概算工事見積書を作成しましたが、その甲斐もあってか、大きな変更もなく工事見積書をまとめるに至りました。

さて、工事請負契約についてですが、今回は母屋(を含む全体)のオーナーの方が工事費用を支払うことになっていますので、工事請負契約者は私のクライアントではなくオーナーの方になります。

若干、契約形態が複雑にはなりますが、工務店を含む四者で一堂に集まりまして、お互いに契約内容に問題がないかを確認して、無事に契約に至りました。

なかなか私も経験にないことでしたが、私のクライアントとオーナーの方の関係性が良かったことがスムーズにコトが進んだ要因かなと思います。

 

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