実施設計-外装編
弊社の基本スタイルとして、クライアントのご希望をお聞きしてそれに合わせたデザインをご提案することが多いですが、今回は逆にやってみたいことをお聞き頂きました。
そこで、以前に追分宿・平屋のパッシブハウスで採用したデザインの別案をご提案しました。
ちなみに、追分宿・平屋は「上段:ファサードラタン縦張」「下段:そとん壁」で構成していますが、今回はそとん壁とファサードラタン縦張りの面分けで構成しています。
どの面をどちらにするのか?がデザインの肝ですが、周辺環境的に木板が前面にある方がインパクトが出ることや面による乾燥具合や汚れの違いなど(要は、メンテナンス性)も考慮してご提案しました。
また、ファサードラタン縦張りに使用する材料も、追分宿・平屋は幅45mmと細目の材料にしましたが、今回は広い面積に使用することを考慮して幅90mmの材料を採用しています。
追分宿・平屋は個人的にも気に入っていますが、今回もどうなるのか非常に楽しみです。
実施設計-内装編
今回は、個室が多い計画となっていますが、各使用者の使い方に沿ったデザインをしています。
例えば、お子様の部屋はベッド配置も決めてしまってデスクを造り付カウンターにしていますし、奥様の部屋は床仕上げをフローリングと畳に分けています。
内装デザインとしても、全体的にはグレー系で落ち着いた色合いで構成していますが、お子様の部屋は少し柔らかいイメージにする為に壁にシナ有孔板を採用しています。
また、奥様の部屋は畳に合わせて和紙なども使いながら和モダンスタイルで仕上げるなど、使用者の個性に合わせています。
今までは、内装を統一される方やシンプルデザインが多かったですが、タイルなども積極的に採用しているので、内装についても今から仕上がり具合がとても楽しみです。
工事見積書作成
毎回のように書かせて頂いていますが、設計・監理契約前に予算は予算として確認はしますが、基本的には予算はあまり考慮しないで、クライアントの希望を全て取り入れた実施設計図面を作成しています。
そのようにしている理由の1つは、クライアントが自分たちの本当の希望がいくらになるのか知っている方が、完成した時の納得感が得やすいと考えているからですが、見積金額が予算をオーバーするというデメリットがあります。
しかしながら、今までの経験上では当初予算のままで進める方も殆どおらず、当初予算の10~20%は予算を増やして頂く方が多いことを踏まえると、そのこと自体がデメリットとも言い切れないと思っています。
このことは、クライアントが当初考えている予算と建築に支払える金額が違うということに他ならないですが、それらの差額は私の方では把握が出来ない(クライアント側でも設計が始まった段階で判断出来る方は少ないと思います)ので、本来の希望が詰まった工事見積書をご確認頂いた状況で、最終的なジャッジを行って頂くことにしています。
今回も、ご多分に漏れず当初の金額よりオーバーしておりますが、若干の仕様調整の上で工事見積書のOKを頂きました。
こちらも毎回ドキドキする場面ではありますが、大きな変更もなく進められて良かったです。