H-SN-07 気密工事から断熱工事

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気密工事

弊社の気密処理は、基本的に外部用面材の外側です。
理由は、(内部の気密シートと比較して)施工がし易いことと中間の気密測定時に是正がし易いことです。

また、弊社の場合は、付加断熱の仕様によって内部の防湿シートを施工しないこともありますが、そういった場合は外部用面材でないと気密処理が出来ないといった事象も発生しますので、施工方法を統一するといった理由もあります。

耐力面材面での気密処理の方法としては、面材の外側に気密テープを貼ることが一般的です。
弊社も基本的には同じ方法ですが、今回は制震テープで気密処理を行う方法にチャレンジしてみました。

制震テープとは、アイディールブレーン社から販売している粘弾性体を両面テープ状に加工して、柱や梁と面材の間に挟み込みことで大地震時の損傷を抑える効果のあるテープです。

詳しくはアイディールブレーン社のHPでご確認頂ければと思いますが、柱・梁と面材の間に張るので自ずとその隙間が無くなり気密性能が高まります。

本来は、気密性能向上を目指した商品ではありませんが、制震と気密といった違う役割のことが1つの材料で実現出来るならば、試す価値はあるかと思いました。

それで、実際試してみた結果として、制振テープ自体の施工が面倒くさいことが分かりました。
詳しい説明は割愛しますが、単に気密性能のことだけを考えれば気密テープを貼った方が施工が楽ですし、気密テープであれば気密処理をしたのか?してないのか?が後からでも目視で分かります。

とは言え、制振テープそのものを使う意味はあるかと思いますので、引き続き検討していければと思います。

 

気密測定

先にも書きましたが、今回は気密処理を制振テープで実施したので、その効果が気になりますね。

現場監督からも「気密処理面が面材で隠れてしまうので、きちんと出来ているのか不安。」などの意見もあったのですが、結果として「C値0.16(減圧・加圧平均)」「漏気回数0.37(減圧・加圧平均)」の値となりました。

今回はパッシブハウスではありませんが、パッシブハウスでも問題のない性能値です。

敷地内に段差のあることに加えて屋上やPHがあるなど比較的不利な形状ですが、制振テープで気密処理をする方法も問題ないことが分かりました。

施工方法に難がありますが、気密を取りながら制振性能も向上されるなら、選択肢の1つになる方法かと思います。

 

断熱工事

気密に問題がないことが分かりましたので、本格的な断熱工事に入ります。

今回の外皮仕様は、コスト調整などもありまして、以下となっています。
・屋根付加断熱:XPSt60(垂木間)、屋根充填断熱:セルローズファイバーt250(一部t180)
・壁付加断熱:ネオマフォームt60、壁充填断熱:セルローズファイバーt105以上
・RC部壁・床断熱(耐圧版下):EPSt60
・窓:APW430防火窓
※Ua値:0.38W/㎡・K

コスト調整でRC壁などの断熱性能が若干悪くなった為に、弊社の平均的な仕様と比較してUa値は高めです。

しかしながら、LDKなどのメインゾーンは(Ua値の良い)2階木造部にあること、RC部分についても土に接する面が多い、RCによる蓄熱効果に期待、などを理由に一定の快適性が維持出来ると判断しました。

あとは、クライアントが生活を始めた後に体感などをお聞きして、その効果などを検証出来ればと思います。

 

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