H-SN-03 実施設計から工事見積書作成

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実施設計-造作家具編

造作家具はお客様によって様々なご要望がありますが、本計画は多くの本棚をご希望頂きました。

本を収納する棚の場合は、本のサイズが色々あることを考えると、固定棚よりは可動棚の方が適しています。
また、隙間なく置かれる場合は重量もそれなりになりますので、適度な幅で板の厚みも考慮して設計する必要があります。

今回は、90cmを超えない範囲で等間隔になるように計画しました。
また、奥行きも深いタイプと文庫本サイズの浅いタイプを計画して、様々な場所を本棚として利用出来るように工夫しました。

 

実施設計-内装仕上編

弊社でご提案する内装仕上げは、自然素材がベースになります。

壁や天井の仕上げは、柿渋の成分によりVOC除去能力や消臭効果の高いパーシモンEウォールによる左官仕上げや卵の殻から出来ているビーナスコートなどの塗装仕上げなどをご提案します。
また、ご予算によっては紙クロス素地仕上げなどの少し安価な仕上げ方法もご提案します。

床に関しては、無垢フローリングかリノリウム張をご提案することが殆どです。
無垢フローリングは、オーク(日本材だとナラ)を選択されるお客様が多いですが、無垢フローリングにもランクが色々とありますので、ご予算によってご提案するメーカーを吟味しています。

今回は、懇意にしているメーカーの営業さんから在庫処分のオーク無垢フローリングの情報を頂きまして、「全て買取」が条件でしたがちょうど使用したい数量と合っていたので、その商品を使うことにしました。

 

工事見積書作成

弊社は、初回の工事見積書作成の段階では、お客様のご要望を全て設計に盛り込むようにしています。

それは「お客様ご自身がご要望された住宅の建築費用をきちんと認識出来た方が良い」との判断からですが、結果として、殆どのお客様が見積調整の作業が必要になります。

今回も見積調整の作業が必要になりましたが、お客様がご希望していた工事金額よりはるかに高い見積書となっており、非常に難易度の高い見積調整が必要になっています。

ちなみに、設計段階で始めにお聞きするご予算を全く無視するわけではありませんが、後述する理由が私や事前に相談していた工務店さんの想定を超える金額だったことも高額の見積書になった理由の1つです。

ここで、工事金額が高くなった主な理由を下記致します。
・社会情勢による物価の上昇
・土地の特性(敷地内に高低差がある)による設計難易度の高さ
・パッシブハウスの考え方を踏まえた温熱設計

正直なところ、物価上昇と土地の特性については、設計内容で減額することは非常に困難です。
よって、温熱設計と他のお客様のご要望を調整することになりますが、(弊社が設計することを前提として一定の性能と品質を確保した場合は)それでも当初のご希望金額には届ないことをご説明しました。

現在は、主に(温熱設計とご要望に関する)仕様の調整と予算増額を検討中ですが、今回のように比較的規模の小さい住宅の高額化を肌で感じているところです。

 

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