PHC-SY-05 現場確認1

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基礎断熱工事

パッシブハウス認定取得を目指す物件の床部分の断熱は、基礎外断熱若しくは床断熱を採用することが多いですが、温熱的に有利に働くのは基礎RC部分の蓄熱効果を期待出来る基礎外断熱です。

但し、シロアリ被害に気が付き難いという欠点がありますので、それらを防ぐ為に使用する材料から気を付ける必要があります。
基礎外断熱を採用する場合は、多くの方がパフォームガードタイプ9(以下、パフォームガード)という防蟻タイプのEPS(ビーズ法ポリスチレンフォーム)を採用します。

パフォームガードは、無機質であるホウ酸という防蟻薬剤をEPSに添加している断熱材です。
また、EPSの中でも密度が高いグレードの商品で、吸水性も低く土間床断熱材としても問題なく使用できます。

性能については、熱伝導率が「0.034w/(m・K)」とXPS(例えば、スタイロエースⅡ)の「0.028w/(m・K)」には劣りますが、経年劣化が少ないことをふまえれば悪くない性能を有しています。

本計画は基礎外断熱の仕様になっておりますが、断熱材は基礎立上りと耐圧盤下共にパフォームガードを採用しております。

工事については、耐圧盤下はとにかく下地の砕石敷きを平滑にしておく必要があります。
今回は、初めて基礎外断熱に取り組むとのことでしたので、隙間を空けずより平滑にするために砂をまいたりするというアドバイスをさせて頂きましたが、現地確認もさせて頂きました。

 

Smartwin(佐藤の窓)の取付

温熱性能を向上させるためには、断熱材等で構成されている外壁や屋根などの他の外皮(外気と室内を隔てている建築部分の総称)に比べて、熱の出入りが激しい窓の性能は特に重要です。

本計画で採用している「Smartwin(佐藤の窓)」は、弊社案件でも採用しているガラスの日射取得率とUw値(窓の熱貫流率)に大変優れた高性能な木製窓ですが、断熱材が木枠の外部側に既設されていることもあり、一般的な日本の窓しか施工経験のない工務店からすると設置方法が難しい窓です。

Smartwinについては、製造元であるレインボーオーシャンビューの佐藤社長が施工指導にも来てくれますが、今回は私も取付の立合いをすることにしました。

トリプルガラスであるSmartwinは、大きさが2m角以上にもなるとかなりの重量になりますので、ただの施工立合いであるはずがいつの間にか施工補助をしていることは良くあることですが(笑)、私からも気になったことを指摘させて頂くなどしながら、何とか設置するが出来ました。

 

気密測定(中間時)

気密性能については、慣れてくれば施工方法によって大体の性能が分かってきたりもしますが、施工がきちんとされているかは目視だけでは分かりませんので、気密測定は毎案件でするべきだと思います。

また、気密測定を建物完成時しか行わない会社もあるようですが、完成時ではもしも数値が悪かった場合に是正工事がほぼ不可能なので、気密処理が完了した段階で一度は気密測定をした方が良いと思います。

今回は、外壁の構造用面材を気密ラインとしておりますが、私も試してみたかった「制振テープ」を気密処理部材の一部として採用したとのことですが、気密測定の結果は減圧・加圧の平均で「C値0.1cm2/m2」という良い値となりました。

施工された本人は制振テープの効果がありそうだとのことでしたが、制振テープ以外の処理も行っているので一概には言えないかなとは思っており、いずれは制振テープのみで気密測定をするなどの検証はしたい、と個人的には思っています。

とにかく、無事に数値がクリア(PH基準では漏気回数0.6回/h)出来ましたので、このまま次の工程に進むことになりました。

 

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