PHC-SY-02 コンサルティング01

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初めに建もの燃費ナビを入力

コンサルティングを始めるにあたり、まず依頼者に行って頂く作業が「建もの燃費ナビ」の入力です。

基本的には、コンサルティング契約前にご入力頂いて、ご自身でパッシブハウス認定(以下、PH認定)を満たす性能を有しているのかをご確認頂きます。

次にご入力頂いた内容をこちらで確認致します。
ここで例えば、入力間違いなどで条件を満たせない場合がありますが、総合的に判断して条件を満たせそうな仕様等が可能であれば、コンサルティング契約に進むような段取りを取っています。

ここで事前にご確認頂いている主な目的は、仕様や敷地条件的に難しい案件を闇雲に契約しないようにするためですが、別の目的として、依頼者の知識等を確認する、ということがあります。

私を含む認定サポーターがコンサルティングさせて頂きますが、基本的に仕様等を最終決定するのは依頼者でありコンサルティングではありません。

それを考えると、依頼者の知識が不足していると、物事が決まって行かないばかりが、知らず知らずにコンサルティング側で仕様を決めることにもなりかねません。

我々はあくまでもサポートであり設計者ではありませんので、その辺りは注意が必要です。

 

認定コンサルティング開始

上記を踏まえ、晴れてコンサルティングが始まりますが、下表は最初のシミュレーション結果です。

暖房需要(以下、暖房)は基準である15kWhをクリアしていますが、冷房等需要(以下、冷房)が基準である22kWhを上回り23.2kWhとなっております。

断熱性能は、概算ヒートブリッジ分も含めUa値0.257Wでしたので、「東京」という気象条件を踏まえれば問題ない数字で、それは大枠として暖房需要にも表れています。

窓は、APW430の日射取得型と遮蔽型を使い分け、取得熱収支では約800kWhプラスです。
また、夏の日射遮蔽については、南窓全面で外付けブラインドが計画されており、こちらも悪くありません。

しかし、結果としては冷房がオーバーしている状況。
ここで考えられることは、、
・外付けブラインドでも対処しきれないので、窓を減らすか大きさを小さくする
ですが、そうすると日射取得量が減るので、今度は暖房がきつくなってきます。

ここにパッシブハウスを目指す難しさが表れていますが、今回は入力間違いの是正を含め下記の対処を考えました。
・Shadingシートの「隣地障害物との関係」を現状に合わせて是正する → 日射取得量が増加
・西側窓も日射遮蔽措置を追加 → 冷房が減少
・換気量が多かったので、適正な量に是正する → 暖房・冷房共に減少
・基礎下断熱の性能が良すぎたので、厚みを減らす → 暖房は増化、冷房は減少

結果は下表の通り。

とりあえず、全ての条件を満たしましたが、冷房がギリギリなのでもう少し何とかしたいですね。
そんなわけで、次回は冷房等需要を減少させる検討を進めたいと思います。

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