住宅の完成見学会

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都内の住宅を見学する

コロナ禍になってから1年以上の月日が流れましたが、未だに終息の兆しは見えません。

お陰様で、仕事そのものには殆ど影響がないのは幸いですが、体面で密にもなりやすい住宅等の完成見学会に参加することは殆どない状況が続いています。

とはいえ、弊社で設計させて頂いた案件などは、お客様のご了解を得て完全予約制の見学会を開くこともありますので、皆さんそれぞれの方法で見学会は行っているのかなと推察しています。

さて、そんな状況下ではありますが、住宅の完成見学会のお誘いを受けましたので、久しぶりに他社の見学会に参加して来ました。

見学会を行っていたのは、その案件を施工された参創ハウテックという(私も何度か施工頂いたことがある)工務店さんでしたが、設計者は建築家の堀部安嗣氏です。

参創ハウテックさんは、堀部さんの案件を新築では3件施工されたようですが、気が付けば、私はその3件とも見学会に参加しているようで(笑)、私程度が言うのもおこがましいですが、勉強させて頂いております。

 

巨匠でも温熱設計に手を抜かない時代が来た

堀部さんの設計は、私が語らずとも皆さん良くご存じだと思いますので詳しくは(書けませんし)書きませんが、光の取り入れ方や陰影の出し方に特徴があると私は思っていて、今回も大変素晴らしかったと思います。

その他、外観や内観デザインも良かったのですが、ここでは温熱性能のことを少し書きたいと思います。

※写真掲載はNGとのことなので、ここでは内部のご紹介は出来ません。

昨今の地球温暖化問題に起因する住宅の省エネ化は誰でも取り組むべきことで、堀部さんに至っても以前より取り組まれていたと思いますが、今回は更に高いレベルの温熱性能に取り組まれていた印象を持ちました。

Ua値でどのぐらいか、は情報がなかったので正確な数字は分かりませんが、、
・屋根:セルローズファイバーt300
・壁:充填+付加でグラスウールt200以上
・窓:ノルドやアルス(都内ですが敷地が広いので、殆ど防火設備不要という羨ましい条件!)の木製窓がメイン
などの仕様でしたので、「0.3~0.35w/㎡・K」ぐらいの性能はあるかなという印象です。

また、空調換気計画についても、熱交換換気システムとアメニティーエアコンを使用した全館空調システムを採用しており、我々でも選択しそうな設備機器となっていました。

ただ、堀部さんも不要だとお客様には説いたらしいですが、床暖房と薪ストーブも設置されておりまして、設備過多な仕様だったのは少し勿体ないとは思いました。

何にせよ、堀部さんに限らず、建築デザインで名を馳せていた建築家でも温熱デザインに手を抜かない時代が来たことは、大変喜ばしいことだと思います。

私は、温熱デザインでは特徴のある設計が出来る建築士だとは思っていますが、その部分に留まらず(留まってもいないつもりですが、更に)他のデザイン部分でも妥協のない設計が出来るようにならなければ、と思わせてくれる良い機会となりました。

 

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