House-TA-03 実施設計から工事請負契約

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実施設計

実施設計とは、基本設計でまとめた内容を元に、より詳細に内容を決めていく作業になります。
私も本格的に図面の作成を開始して、お客様に詳細な部分をご提案しながら、再度ご希望などの確認作業を行います。

実施設計において「どの部分の打合せが長くなるのか」はお客様それぞれではありますが、本案件で時間を要したことは各ゾーン(各階)の使い方です。

これまでにも書いておりますが、今回は狭小地での計画です。
当然、建物についても余裕のあるプランではないので、こういった場合に重要になることは「住まい方(使い方)を割り切ること」が出来るか否かです。

割り切ることには、「住まい方を限定する」と「住まい方を限定しない」という割り切りがあると思いますが、今回は限定する、言い方を変えると「その使い方しかしない」割り切りとなりました。

このように文字で書くと簡単なことですが、実際はお客様それぞれで今までの生活スタイルがあるので、なかなか割り切れることではありません。

きっとお客様の中で色々な思いが廻ったと思いますが、悩むことは「納得する、満足する」住まいにするために重要なことの1つだと思います。

 

工事見積書作成

実施設計がある程度まとまると工事見積書作成作業に入りますが、まとめるにあたり変更した主な内容は以下となりました。
・断熱仕様の変更
・窓仕様の変更
・換気システムの変更
・鉄骨階段の中止

断熱仕様は、基礎断熱を床断熱に変更しました。

温熱的には基礎断熱の方が有利なので、何か理由がない限りは基礎断熱で設計を始めますが、それぞれに利点と欠点がありますので、最終的には予算との兼ね合いも考えて決定します。

 

窓仕様は、アルス木製防火窓とAPW430防火窓の併用で設計を進めていましたが、木製防火窓は中止になりました。

元々、温熱的にはAPW430防火窓の方が有利なシミュレーションでしたが、APW430防火窓は大開口窓が出来ない(引違窓はありますが、弊社では使用しません)ことやそもそも木製防火窓のご希望もあり、一部の窓にサイズオーダーも可能なアルス木製防火窓を選択していました。

この部分は、窓の数なども踏まえて最後まで調整の対象でしたが、アルス窓は図面作成代などの経費がそれなりに掛かるので、部分使用での採用は難しい結果となりました。

 

換気システムについては、第3種デマンド換気システムの計画としました。

前回の記事にも書きましたが、元々はダクトレス熱交換換気システムとの併用とするか悩んでいましたが、予算との兼ね合いもあり、より換気計画がシンプルになるようなシステムを採用致しました。

ちなみに、デマンド換気システムとは湿度の過多によって換気量が変動するシステムで、必要な時に必要な換気量になるように調整される省エネな換気システムです。

 

工事請負契約と地鎮祭

金額調整はどんな住宅でも大変な作業ですが、狭小住宅は小さいからといって工事費が安いわけではありませんので、通常とは違う大変さがあると思います。
(※坪単価で例えると、大きな住宅の方が坪単価は少なくなります。)

よって、見積金額を減らす為には極力、項目(作業)の種類を減らしてシンプルな仕様をするかがカギだと思います。

 

さて、そんな見積書の調整も完了して、今月頭に工事請負契約に至りました。
そして、先日は地鎮祭を執り行いましたが、お子様も参加されてよい地鎮祭になったと思います。

ウッドショックの絡みで工事工程に不安もありますが、皆で協力して良い住まいになるべく工事を進めたいと思います。

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