House-TA-06 気密工事とセルローズファイバー工事

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気密工事と気密測定

弊社の気密は、基本は外壁の構造用面材で取るようにしています。
また、室内側の防湿シートも(結露計算でクリアしても)張りますので、結果として防湿シートも気密に作用します。

気密測定は中間時と完成時に行いますが、完成時はほぼ確認のためで実際の施工確認は中間時の気密測定です。
中間時気密測定のタイミングは物件ごとの仕様や工程によりますが、今回は窓が設置されて、付加断熱であるネオマフォームの施工が大よそ完了したタイミングで実施しました。

結果から先に書きますが、加圧減圧の平均で「C値0.34cm2/m2」でした。
これは、一般的な住宅と比較すれば十分低い値ですし、換気計画を考慮しても申し分ない値ですが、弊社実績と比較するとちょっと物足りないのも事実です。

 

気密性能の検証

測定中色々と検証しましたが、いまいち値が下がらなかった理由を以下と結論付けしました。
・建物形状が複雑
今回のプランは、都市部の狭小地を有効利用するために、オーバーハングやセットバックを上手く利用していますが、気密にとってはこれが一番のネックになります。
理由は、気密ラインがきちんとつながりにくいからです。

当然その辺りは私や現場監督も認識はしていて、大工さんにはいつも以上に手を掛けて頂きましたが、私の想定を超えていました。
建物形状などを事由とする対応はなかなか難しいところで、プランでの解決が早いとは思いますが、次回は別のアプローチも検討したいと思っています。

・三階建ては不利側
同じ床面積で考えると、二階建てに比べて三階建ては外皮面積割合が増える傾向にあるので、床面積が分母であるC値としては不利側の計算結果になり易いです。
また、壁や屋根との取り合いや各階の処理などの長さも増える傾向にあることも影響します。

これも、都市部などの狭小地の有効利用を考えるとやむを得ないことですので、いつも以上に手間をかけて気密処理を行う他ないのですが、費用対効果として何が最善なのかも踏まえながら、目指すべき性能を決めていければと思った出来事でした。

 

セルローズファイバー工事

弊社は断熱仕様に決まりはありませんが、施工精度や断熱材としての環境負荷の低さ、防音や調湿といった付加価値を考慮して、壁や屋根の充填断熱にはセルローズファイバー吹込みを採用することが多いです。

東京近郊の場合は、練馬区にあるマツナガさんにセルローズファイバー施工を依頼することが多いですが、今回は長野県の信越BIBさんに依頼しました。
主には価格というシビアな理由になりますが、信越BIBさんは気密シートまで施工して頂ける(別料金です)ので、大工さんの負担軽減という意味も今回はありました。

信越BIBさんのセルローズファイバーはダンボールが原材料とのことで、いつも見ているマツナガさんの新聞紙が原材料の商品と色が違っているのが新鮮でした。

ここでは割愛しますが、施工方法などにも若干の違いもあり、施工中にはマツナガの社長さんも見学に来られて、色々と意見交換をさせて頂きました。

さて、現場は無事に防湿シート張まで完了し、内部は電気や換気などの設備工事や石膏ボードを張るなどの下地工事に入ります。

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