H-HN-02 基本設計

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基本設計1

弊社は、設計契約前にプランを作成しないですが、ご希望の広さを確認する為にダイアグラム(又はゾーニング案)を作成します。
よって基本設計では、そのダイアグラムを参考にご要望を深堀していくところから始まります。

今回はご家族5人の為の3階建て住宅の計画ですが、初回はダイアグラムでご提示しました(3階建て住宅として標準的な)2階LDK案を元に打合せしました。
ちなみに、Lはリビング(居間)、Dはダイニング(食堂)、Kはキッチン(台所)の略です。

まずは2階LDKですが、パターンとしては、、
・全てが開放的につながっているLDK案
・Kを個室としたLD+Kとなる案
が考えられますが、色々と意見交換をする中で、、
・キッチンは回遊が出来て、開放性のあるプラン
が良いことが分かりました。
また、キッチンはいつもすっきりしている状態がお好みで、冷蔵庫も隠したいとのことでした。

次に、個室群とした3階は3パターンをご用意しまして、個室の使い方を話し合いました。

私としては、壁や扉できちんと囲まれた個室は作らずに、家具等で緩やかに仕切る案をお勧めしましたが、お子様含めてご家族で話し合って頂くことで、初回の打合せは終わりました。

 

基本設計2

初回、2回目の打合せを踏まえて、LDK案はキッチンが回遊出来る案で検討を進めましたが、3回目の打合せでは、、
・壁付きL型キッチンで、回遊出来る
・対面式I型キッチンで、回遊出来る
の2案をご提案しましたが、対面式案はキッチンをダイニングと対面させるのではなく、リビングと対面する案をご提案しました。

一般的ではない「KL+D」案をご提案した理由はいくつかありますが、その1つが緑化バルコニーとのつながりです。
今回は、クライアントのご希望で2階バルコニーを緑化する予定ですが、そのバルコニーとのつながりを考えるとダイニングよりはリビングの方が良いと思ったからです。

また、来客者をもてなすのはリビングよりはダイニングが多いと思いますが、ダイニングを少し閉鎖的にさせることで、お客様をおもてなしし易いと考えました。
要は、パブリック要素もあるダイニングとプライベートスペースであるキッチンとリビングを分けたということです。

その後も色々と意見交換をした結果、「KL+D」案が採用されました。
尚、対面式部分は構造を考慮して壁や柱を残していましたが、アイランド型のオープンキッチンが良いとのご希望があったので、梁成を大きくする構造を検討することで決着しました。

その他、3階に配した個室群については、完全な個室とするのではなく、生活習慣等に違いのある男性と女性という性別で緩やかに区分する個室案をご提案し採用されました。

KL+D案もそうですが、個室もあまりポピュラーではない考え方が採用されましたので、このクライアントらしい住まいになるとの予感があります。

このように、住まいは住まい手によって様々で十人十色ですが、クライアントらしさを追求出来ることも、設計事務所に依頼する利点の1つかと思います。

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