H-HN-09 外壁StoEPS工事

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外壁について

今まで弊社で扱ってきた主な外壁仕上げは「木板」若しくは「ガルバリウム鋼板葺き」ですが、(木造住宅では初めて)EPS断熱に直接湿式仕上げをする外壁仕上げ(以下、StoEPS)を採用しました。

StoEPSのメリットは、、
・外壁で使用する材料を減らせるので「メンテナンス性」に優れている
・外壁が軽量になる為に構造計算上(耐震性)で有利に働く
などがありますが、単価が高いというデメリットがあります。

今回は、お客様から左官仕上げのご希望を頂いたこともあり、設計全体としてメリットの方が上回ると判断して採用に至りました。

 

外壁下地工事

StoEPSを含めて断熱材に直接仕上げをする工法の場合は、通常の乾式仕上げ(通気層がある方法など)とは違いまして、断熱材の内側(構造面材の外側)に防水層が来ます。

また、防水の方法もドレインラップ(防水シート)方式と塗り防水方式があります。
どちらにもメリット・デメリットがありますが、今回は塗り防水方式を採用しました。

採用した理由は、防水廻りの施工性の高さや断熱材を接着材で張ることによる断熱欠損の少なさなどが挙げられますが、ドレインラップ方式が劣っているわけでもなく、好みの部分も大きいかと思います。

尚、塗り防水方式を採用した場合は、テープ類に防水塗料が付着しないので、外壁面材で気密処理をする場合は何か工夫が必要かと思います。

 

StoEPS施工

先にも書きましたが、EPS断熱材は接着剤(セメントアクリル樹脂)で張っていきます。
また、窓の取り合いなどにはシーリングテープを張って、止水を確保しながら進めていきます。

1つ1つ手間は掛かりますが、長期に渡って防水性を確保するためには必要な手間です。
こういった部分がコスト増につながると思いますが、メンテナンス費用は安くなると思います。

要は、イニシャルコストとランニングコスのどちらに費用を掛けるのか、の判断になるとは思います。

それと、採用した理由の1つに断熱欠損の軽減を上げましたが、ドレインラップ方式の場合はビスで断熱材を留めるので厳密にいうとそれらが熱橋になりますが、塗り防水方式はその熱橋部分が軽減出来ます。

更に今回は、雨樋やアンテナなどの機器類を留める部分にも高密度EPSを採用して、より熱橋が減らせる工夫を施しました。

 

外壁仕上げ工事

トップコートは、セメントフリーの有機質仕上プラスターで高弾性・高耐候性で汚れにくいのが特徴で、様々な着色が可能になっています。
また、オプションの超撥水性能・ロータサンを採用すると、より汚れが付きにくくなります。

尚、着色について、余り濃い色は熱を吸収して断熱材に悪影響を与えますので、なるべく淡い色を選択した方が良いとのことです。

今回は、ピンクベージュをベースカラーとして、アクセントにお客様の好きな紫系の色を採用しました。
それと、バルコニーの壁には屋久島地杉を採用して、バルコニーや外構の緑化との一体感を意識しました。

 

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