H-KRH-08 断熱・気密工事

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本計画は、長野県・軽井沢町で工事中の一戸建て住宅です。
避暑地として有名な軽井沢ですが、冬は氷点下になるほど寒い地域です。

そんな軽井沢で、夏も冬も快適に過ごすことを望んだお施主様と共に、パッシブハウスを目指しています。

 

屋根付加断熱

通常、弊社が設計を行う東京近郊で屋根付加断熱を行う場合は、ネオマフォームt80~100を一層敷き込むことが多いですが、今回は寒冷地である軽井沢仕様となっておりまして、ネオマフォームt100を二層敷き込みました。

ここで、施工の手順を簡単に書きたいと思います。
まず、通常の一層施工の場合は、断熱材間の下地は不要で通気タルキを介して梁等にパネリード等の長ビスを打ち込んで留めますが、二層の場合はタルキも合わせると300mm以上のビスで留めなくていけないので、ちょっと現実的ではありません。

よって二層の場合は、一層目のネオマフォームは455ピッチで下地を入れながら施工して、2層目をその下地に向かってビスで留めるような施工としております。

二層施工しますので手間は余計に掛かりますが、屋根充填断熱を薄く出来るメリットがありますので、費用対効果を考えれば悪くない方法かと思います。

また、今回は8寸勾配の屋根なので安全な施工に配慮する必要がありましたが、現場監督が効率も考えて「合板張りと気密テープ処理を下から交互に施工する」という方法を採用しました。

 

壁付加断熱

壁付加断熱は、屋根同様にネオマフォームを採用しております。
理由は他の物件でも書いていますが、グラスウール等の繊維系断熱材で必要な木下地が不要なため、構造材による木熱橋を無くすことが出来るためです。

「木熱橋を無くすこと」に論点を置けば、気候がさほど厳しくない地域や外壁デザインによっては、EPS付加断熱も選択肢としてはあるとは思いますが、断熱性能を向上させる必要がある本案件ではネオマフォーム一択かなと思います。

その他、必要性能として「100mmの厚みで足りるのか(一層で行けるのか)?」が課題としてありましたが、二層目に突入することなくオマフォームt100で良いことがシミュレーション上で判断出来ましたので、余計な費用を掛けずに済みました。

ちなみに防水シートは、材料の耐久性を考慮してウルトの「ウートップトリオ」を採用しております。

 

充填断熱

充填断熱は、セルローズファイバーを採用することが多いですが、今回は断熱材の性能として高い高性能グラスウール(イゾベール・コンフォート24K)を屋根・壁共に採用しました。

理由としては、本案件は2階の1/3以上が吹抜のためにシミュレーション上は不利に働きますので、少しでも性能の高い材料を使用することで「断熱材が何層にもなるコストUP」を回避したいという思惑がありました。

また、価格としてもセルローズファイバーより高性能GWの方が安価なため、全体のコスト感も理由の1つとなっています。

ちなみに、防湿シートはグラスウールと同じメーカーの「イゾベール・バリオ エクストラセーフ」を採用しております。

 

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