H-KRH-06 基礎工事

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本計画は、長野県・軽井沢町で工事中の一戸建て住宅です。
避暑地として有名な軽井沢ですが、冬は氷点下になるほど寒い地域です。

そんな軽井沢で、夏も冬も快適に過ごすことを望んだお施主様と共に、パッシブハウスを目指しています。

 

耐圧版下の断熱施工

床や基礎の断熱について、特別な理由がない限りは基礎外断熱を基本に考えます。

基礎外断熱の場合は耐圧版の下に断熱を敷き込むので、耐圧版を平らに設計する方が断熱材の施工を考えると良いですが、本計画(以下、H-KRH)は1階に大きな吹抜がある為に平らな耐圧版の場合は、人通口の配置に制限が掛かります。

また、空調・換気ダクトを床下に配管する計画なので、こちらにも影響を及ぼすことになります。

そういった経緯の中、工務店の監督と構造設計者と協議を重ねた結果、地中梁方式の基礎を採用することになりました。

こうなると、大変なのが耐圧版下の断熱施工です。
地中梁の形に断熱材を施工しないといけず、また今回は一層ではなく二層敷き込む計画だったのでより大変です。

現地確認では、案の定「大変だった」との監督の弁ですが、言葉とは裏腹にきれいな施工で安心しました。
しかし、同時に課題も見つかっており、同じような基礎形状の必要がある場合は別の方法に取り組む予定です。

 

基礎配筋検査

冬の軽井沢なので想定内ではありますが、雪の影響で配筋検査が一度延期になりましたが、その後は大きなトラブルもなく配筋工事は無事に進むことが出来ました。

H-KRHは配筋検査に構造事務所が同伴してくれました。
住宅レベルの基礎配筋検査に構造事務所が来てくれることは少ないと思いますが、本来は設計した本人、要は構造設計者による配筋検査が望ましいと思います。

構造設計者同伴の利点は、何か施工不良等があった場合の打開策がその場で話し合えることです。

H-KRHのように少し複雑な基礎配筋の場合は施工不良等が起こってしまうこともありますが、今回はそういったこともなく無事に配筋検査は終了致しました。

 

銅板の蟻返し

基礎外断熱は基礎内断熱より温熱的には有利ですが、シロアリ被害が起こりやすいというデメリットがあります。

そのデメリットを少しでも解消する方法として、蟻返しを施工します。
蟻返しは、基礎と断熱材の間に侵入したシロアリが、そのまま躯体内部にまで及ばないように、要は外部に出てこざるを得ないような仕掛けになっています。

そうすることによって目視が可能になり、シロアリ被害を事前に防ぐことが可能になります。

軽井沢は寒冷地ですが、最近はシロアリ被害も報告されているそうなので、対策は必要ですね。

 

 

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