第19回JIA環境建築賞

投稿者:

第19回JIA環境建築賞

私が、協力事務所としてプロジェクトに関わった「パッシブタウン第3期街区」も参加しました「JIA環境建築賞」の最終公開審査が行われました。

環境建築賞は、一般建築部門と住宅部門に分かれています。
パッシブタウンは基本的には集合住宅ですので、住宅部門での参加でした。
まずは、審査に残っていた作品の私なりの感想を簡単に書きます。

一般建築部門は、大学校舎や研究所・事務所などが選ばれておりましたが、それぞれが屋内環境の向上のため、建築的に設備的にしっかりとした計算やシミュレーションの元、設計されているように思いました。

しかし、パッシブタウンを除く住宅部門の作品は、相変わらず通風でどうにかしよう的なものと、中途半端な知識による空調計画の作品が選ばれていました。

最近は、様々なシミュレーションソフトが比較的安価で販売され、住宅設計の規模でもそれらを活用することが出来ますが「環境」と名のつく賞でさえも、未だシミュレーションをしない住宅が最終審査に残ってしまう状況は、残念で仕方ありません。

最終的に、審査結果は?というと、投票で最多票を得たパッシブタウンでしたが、「別格だから」や「JIAらしい作品を選ぼう」などの訳の分からない理由で特別賞と言う「存在しなかった賞」を与えられ、最優秀賞は無しで戸建住宅の2棟が優秀賞を分け合う形で幕を閉じました。

結果に釈然としないところはありますが、それよりも、住宅を設計した建築士の屋内環境に対する知識のなさに私は驚きました。
人類の歴史を紐解いたり、地産地消の材料で作るのは良いことだと思いますが、もうちょっと理論的にまともな設計をしてほしい、と思うのが正直な感想です。
また、それを可能にしているのが、問題があっても問題にならない「自邸」だと言うことがよくないと思います。

まあ、自邸なので外野がとやかく言うことではないですが、JIAの賞として自邸と言うことを踏まえて考えられたそれらが、評価されることに私は違和感しかありません。

今回は、住宅部門で12棟の応募があったそうですが、その少なさに「そんな感じなのか。。」とびっくりしました。
ここでふと思ったことが、それなら全国のパッシブハウスが応募したらどんな評価を得るのだろう?ということです。

パッシブタウン第3期は集合住宅なので喧々諤々の議論になりましたが、戸建のパッシブハウスなら正々堂々と戦えるはずです。

私には認定パッシブハウス戸建住宅の案件がありませんが、全国の認定パッシブハウス設計者の皆様、来年のJIA環境建築賞に応募して新しい風を吹かしてみるのは如何でしょうか。

P.S.
最後は、関係者と記念写真を撮りました!

関連記事