ストック建築を考える日

投稿者:

住宅医スクール 検定会

本日は、住宅医協会が開催していますスクールにて、住宅医の検定会が行われました。
住宅医の詳しいことは下記リンクをご確認頂ければと思います。
https://sapj.or.jp/aboutsapj/

私自身はスクールの受講は終わっておりますが、この検定会では「今皆様がどんなお仕事をされているのか」を知ることが出来る貴重な機会ですので、時間があれば参加するようにしております。

会場に行って資料を確認すると、本日は7組の発表者がおりましたが、私が詳細調査に参加しておりました物件が3組もあり、何か感慨深いものを感じながらより内容を理解して聞くことが出来ました。

詳しい内容説明はここでは省かせて頂きますが、私が気になる部分は温熱環境です。
基本的に、温熱性能をUa値のみで説明する方が多く、皆さん国の低い基準と比べ良くなったからOKみたいな内容でした。

それがどういうことになるかというと、その先の性能みたいなことをあまり考えないことにつながると思っています。
例えば、XPS(押出法ポリスチレンフォーム)を25mm入れましたみたいな場合は、それを50mmにしたところで金額的に大きな差はありません。

しかし、断熱材の厚さはある程度のトコまでは厚い方が温熱環境的に有利になります。
それを知っているか、もしくは何故温熱環境を良くしないといけないのか、をきちんと理解していればその考えにたどり着くと私は思っています。

その選択をしないのは、まだまだ温熱環境の改善をある意味「やらされている」トコから抜け出せていないからだと思います。

既存改修の現場は予算が限られているので、やれることに限界があるのは分かります。
しかし、だからこそ設計者が知恵を出して、より費用対効果の良い方法を探るべきです。

それらの知恵を出すには勉強するしかないのですが、温熱性能の分野はまだまだ知識不足の設計者が多いのが現状ですね。

 

東京建築士会・ストック委員会

住宅医協会のあとは、ストック委員会の集まりがありましたので参加しました。
本日の主な内容は、平成30年度の建築基準法改正の内容についてと空き家対策についての意見交換。

今回の基準法改正は、防火や避難に関する内容が多いのですが、ストック委員会としては既存ストック建築の活用に関することで議論を交わすことになります。

例えば、法6条1項1号の特殊建築物の扱いが「100㎡から200㎡」に変わることは、ストック建築活用の場を広げることにつながります。
しかしこれは、100㎡超200㎡以下の特殊建築物を「4号化」することになるので、今ある4号建築物の問題が特殊建築物にまで広がることを意味しています。

4号建築物は申請手続きが簡略化出来ますが、それを「何をやっても良い」と勘違いをしている設計者は多いです。
また本改正は、主な4号建築物であった木造住宅を仕事としていた設計者やオーナーではなく、ビルなどの設計者やそのオーナーに関係することであり、きちんとした理解のもとストック建築の活用が行われるのか、をストック委員会では危惧しております。

この問題は、設計者への理解はもちろんのこと、ビルオーナーにもコンプライアンスの重要性を理解して頂くことも重要であり、そんな一般の方に向けて何が出来るかなどをいつも話し合っています。

それと今日は、空き家対策についての意見交換も行われました。
空き家については私も興味を持ち又問題視をしておりますが、何かが出来ているわけではなく、また理解が余り進んでもいません。

話の中では、住宅セーフティネットや住宅基本法、また社会システムのコンバージョンなどをふまえながら色々と考えていかなくてはいけないとありました。

先にも書きましたが、私はそれほど理解が進んでいないのでなかなか意見が言えませんが、私なりに理解を深めて空き家問題にも取り組んでいければと思っております。

関連記事