H-KRN-08 内外仕上げ工事

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外部仕上げ

外壁仕上げに採用する材料は、一般的にはハウスメーカー等が採用するサイディング張り仕上げが多い様に思いますが、実際に選択可能な材料はいくつか存在します。

弊社で採用例が多いのは「杉木板張り」若しくは「ガルバリウム鋼板」ですが、板張りは「ドイツ下見板張り」若しくは「ファサードラタン縦張/横張」、ガルバリウム鋼板は「縦ハゼ葺き」をご提案しています。

通常、外部仕上げ材を検討する時に使いたい材料をお客様にお聞きするようにしていますが、今回は設計当初から私の中で「ジャパニーズモダンスタイル」という建物イメージがあったので、それに見合った案をこちらからご提案しました。

それが「スーパー白洲そとん壁」と「ファサードラタン縦張り」の上下張分けです。

そとん壁は、いわゆる左官仕上げの材料ですが、防水性と透湿性を兼ね備えた100%自然由来の素材です。
無機質の天然セラミック素材なので、紫外線や風雨による体色・劣化が起きにくく対候性・耐久性の高い材料でメンテナンス性が良いのが特徴です。

このデザインは以前からやってみたかったですが、仕上がり感もよくうまくいったと思います。

 

 

内部仕上げ1

弊社では、自然素材等の環境負荷の少ない材料を選定しています。

それは、予算の有無に関わらずの部分もありイニシャルコストが上がる要因にはなりますが、工業製品にはない風合いなどの良さがあると思いますので、長く使うことを前提にしている当社の家づくりでは必要なことの1つではあります。

今回、設計当初はヴィーナスコートという卵の殻から出来ている仕上げ材を壁と天井の仕上げで採用していましたが、内装ドアなどで柿渋塗装や柿渋和紙を採用していたこともあり、柿渋の成分(柿渋タンニン)や卵の殻、珪藻土などが主成分になっている「パーシモンEウォール」という柿渋系の仕上げ材に変更しました。

柿渋タンニンには、消臭の他に殺菌や防虫などにも効果があるそうで、お客様が気にされていたことがより解消される可能性があったので変更するに至りました。

仕上げ方法は、コテ仕上げとローラー仕上げが可能とのことでした。
今回は、時間的な都合もあり元々採用していたローラー仕上げとしましたが、サラッとした仕上がり感は梅雨などの湿度の高い時期にはより効果を発揮しそうな印象も持ちました。

自然系塗装材にしては比較的安価な材料でしたので、今後の案件でも採用してみたいと思います。

 

内部仕上げ2

少し話がそれますが、環境問題の1つとして、繊維ゴミのことが話題に上がることが増えたと感じています。
その繊維ゴミですが、実に世界のゴミの14%を占めるらしく、日本においても2019年には14.8億枚(新品の50%以上)が袖を通すことなく新品のまま破棄されたそうです。

弊社は、サステナブル住宅を目指して設計をしていることもあり、そういった話を耳にすると弊社として出来ることはないか?と考えたりするのですが、とあるセミナーで(一社)サーキュラーコットンファクトリーさん(以下、CCF)がワイシャツなどを製造する時に出る繊維ゴミを使って和紙を作っていることを知りました。

そこで、その再生和紙(正式には、サーキュラーコットンペーパー)を建築中の現場で使えないか思案した結果、本案件の小上がり和室の障子紙と天井の仕上げ材に採用することにしました。

障子紙については通常の和紙と同様に施工出来るイメージはありましたが、天井の仕上げとしてクロス代わりにうまく施工出来るか半信半疑でしたが、うまく施工出来たと思います。

尚、天井仕上げ材に使う事については、いくつか検討すべきことが上がったので、CCFさんと意見交換をしながら次回以降の案件でも採用出来ればと思っています。

 

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