H-HN-03 PHPPでエネルギーシミュレーション

投稿者:

PHPP

プラン検討を進めながら立面等のデザインもご提案していきますが、ある程度外観デザインがまとまって来た段階でPHPPによるエネルギーシミュレーションを行います。

PHPPとは、パッシブハウス認定住宅でも使用されるエネルギーシミュレーションソフトです。
国等の省エネ基準は、外皮平均熱貫流率(UA値)という主に断熱性能のみで評価されていますが、PHPPでは「暖冷房需要」で評価します。

暖冷房需要を分かりやすく言うと、暖房や冷房で使用されるエネルギー量のことで、冷暖房による光熱費がどのぐらい掛かるのかが分かります。

暖冷房需要で評価することの利点は、いわゆるパッシブデザインも定量的に評価出来ることです。
評価出来るパッシブデザインには、断熱・気密・日射取得・遮蔽のエネルギー消費量に大きく関わることから、窓開けによる夜間通風といったことまで評価出来るのが、PHPPの凄いトコです。

PHPPは、そういった要素を建てられる場所の気象データ(温度や日射量など)を利用してシミュレーションすることが出来ますので、地域を問わず検証が可能です。

 

エネルギーシミュレーション結果

弊社で設計する住宅の場合は、暖冷房需要それぞれで「25kWh/㎡以下」を基本目標としています。

何故この値なのかと問われると明確な回答は難しいですが、「エネルギー的な費用対効果」と「暮らす方の快適性」を考慮すると、先の値以下が妥当だと現状では判断しています。

さて、本案件もシミュレーションしてみましたが、まずは以下の結果となりました。

 

参考までに、断熱仕様と窓仕様を下記致します。
・屋根:付加/ネオマフォームt100、充填/セルローズファイバーt240
・壁:付加/EPSt100、充填/セルローズファイバーt105
・基礎断熱:EPSt100
・窓:APW430防火(一部、Smartwin/佐藤の窓) ※遮蔽措置:南側窓のみ

今回は、今まで木造住宅では採用したことがなかったEPSを外壁の断熱としてご提案しました。
理由は、ご希望のデザインに合っていたことやメンテナンス性と施工性が良いことなどです。

また、日射に関しては、DesignPHというSketchUpというモデリングソフトにプラグイン出来るソフトを使用して解析します。

 

日射に影響を及ぼすと思われる近隣建物も再現してシミュレーションを行いますので、より現実に近い結果が得られると思います。

現状で、弊社の目標は達しているので、基本設計としてはOKになりました。
尚、大よそこの段階で「パッシブハウスを目指すかどうか」を質問させて頂きます。

本案件も不可能ではないとは思いましたが、そこまで強いご要望はありませんでしたので、他のご要望を活かす本内容で進めることになりました。

関連記事