House-MS-08 気密・断熱・防湿工事

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気密測定

弊社では、全案件で工事中と竣工時の2回気密測定を行いますが、工事中に行う1回目の測定は「屋根と壁の面材気密処理」が完了して「窓が設置された」時点で行います。

それと空調ダクト等の貫通部処理も、気密測定が完了した後に行わないように完了しておくことが重要で、そうすることで「気が付かない漏気」を起こさないようにします。

また、この時点で測定を行う理由は、気密処理が不十分で漏気していた場合に是正がし易いためですが、弊社で行う外部面材処理は壁や屋根の取り合いから漏気することは殆どなくて、窓廻りとスリーブ処理廻りが主な注意点になります。

さて、今回の結果ですが、減圧・加圧の平均でC値0.17cm/㎡(50Pa時漏気回数0.48回/h)でした。
ひとまず、漏気回数でパッシブハウス基準をクリアする良い数字が出て安堵したんですが、何となく物足りない数字です。

実はこれ、気密測定を行っている時にわずかですが「輸入樹脂窓の連結部から漏気している」ことが判明していましたが、気密測定のタイミングで気密処理を行える手立てがなく、ひとまずそのままで測定を終了した、という経緯がありました。

窓単体等の商品そのもので漏気している場合は是正が難しいと思いますが、今回は連結部の不具合だったので外部側からパッキンを挟むことで何とか事なきを得ました。

窓取付時から何となく怪しい感じはしていましたが、現場で連結する場合は注意が必要かと思います。

 

付加断熱工事

毎回のお話ですが、断熱仕様はPHPPというエネルギーシミュレーションソフトも用いて、暖房需要と冷房需要の変化をみながら各プロジェクトで最適となる厚みにします。

また、付加断熱については「可能な限り厚く」を念頭に置いて考えていて、シミュレーションは「ネオマフォームt80~100」で始めることが多いですが、今回は依頼した工務店が他の厚みに比べて「ネオマフォームt50」が格段に安かったので、屋根・壁共にその厚みとしました。

それと、崖地で南面がひらけていて、日射取得量が多かったこともt50に出来た要因かと思います。

 

充填断熱工事

充填断熱は、施工精度や防音などその他の性能価値も考慮して、屋根・壁共にマツナガのセルローズファイバーで検討することが多いですが、屋根はコスト調整でグラスウールになることがままあります。

この現場もご多分に漏れずと言いますか、、南面の勾配天井はマグイゾベールのイゾベールコンフォート16Kになりました。
尚、ラムダで言えばグラスウールはセルローズファイバーより性能値が良いので、U値は改善する傾向にあります。

結果として、今回はUa値=0.28(W/㎡・K)程度になりました。
弊社で設計すると、Ua値は0.25~0.30位になると思いますが、日射取得と遮蔽もきちんとデザイン(所謂、パッシブデザインを行う)して、パッシブハウス基準の暖房需要と冷房需要を目指します。

 

防湿工事

断熱仕様を決める中で結露計算も同時に行いますが、付加断熱を採用すると内部結露リスクが軽減します。

先の通り、本プロジェクトも付加断熱を採用していますし、構造用面材も透湿抵抗の低いハイベストウッドですので結露リスクは軽減されていますが、防湿シートを張った方が更に有利側なので基本的には省略はしません。

防湿シートは、夏を考慮して可変調湿シートであるマグイゾベールの「イゾベール・バリオ エクストラセーフ」を採用しました。
House-HTでも採用しましたが、シートがしっかりしていて良いですね。

 

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