M-BLOG 2025.02月号

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プロローグ

先月から始まりましたM-BLOG。
未だに方向性は定まっておりませんが、引き続きお付き合い頂ければ幸いです。
尚、始まりの詳しい経緯は、先月号をご確認頂ければと思います。

それでは、今月号の目次です。
1.現在の業務状況と見学会のご案内
2.お問合せを頂いて思ったこと
3.住まい手の声001-House-HT編

今回より「住まい手の声」というコンテンツを不定期で掲載したいと思います。
これまでに弊社で設計監理し建築しました住宅の中より、住まい手がその住宅で1年以上暮らしていることを条件に、家づくりの始まりから暮らしの感想などの「声」を頂くことにしました。

こういったことはどこの会社でも取り組んでいることなので目新しいことでもないですが、aama友の会(先月号参照)のお話しを受けて、住まい手の声みたいなものをもう少し積極的に発信していきたいと、改めて思った次第です。

これから、家づくりをされる皆様のご参考になればと思います。

 

1.現在の業務状況と見学会のご案内

先月号でも書きましたが、現在の業務状況の続きをお知らせします。

東京都練馬区の案件(以下House-NO)は、外壁の板張りはほぼ完了していて、現在は左官工事(そとん壁)の仕上げ工事を進めています。
今月中旬には足場が外れるとのことですので、来月号では外観写真をお見せ出来ると思います。

また、House-NOは完成見学会を実施予定ですが、プロ向けと一般向けの両方を開催予定です。
プロ向けについては、パッシブハウス・ジャパン(以下PHJ)関東支部企画で実施予定です。
日程については、3月25日(火)で企画を進めていますので、ご興味のある方は予定を空けておいて頂ければと思います。
詳しくは、PHJのHPをご確認頂ければと思います。

一般向けについてはお客様と調整中ですが、3月29日(土)及び3月30日(日)を予定しております。
来月号では日時をお知らせ出来ると思いますが、インスタの方が情報は早いと思います。
宜しければ、フォローなどして頂ければと思います。
・アカウント:@akhsm8465

千葉県松戸市案件(以下House-MT)は、パネル建て方が完了しました。
私も工務店さんも初めてのことだった為にてんやわんやした部分もありましたが、予定していた二日間で屋根パネルまで施工出来ました。

現在はジョイント部の処理後に防水シートを適宜施工しまして、雨仕舞が出来ました。
通常であれば、雨仕舞出来るまでに1か月以上は掛かり、その間はブルーシートで雨養生をしていますが、パネルであれば(大工さんの人数にも寄りますが)1週間程度で雨仕舞できるので、だいぶ作業効率は上がるとは思います。

今回、経験したことで分かったデメリットもあるのですが、それを上回るメリットがあるかと思いますので、今後もパネル工法が採用出来る敷地環境であれば、パネル工法を採用していきたいと思っています。

 

2.お問合せを頂いて思ったこと

最近、外国人と思われる方(以下、ご相談者)より問い合わせがありました。
都内で土地を購入したらしく、パッシブハウス性能の住宅を建築されたい、とのことでした。

それはそれで普通の問い合わせではあるのですが、建築仲間との世間話の際にご相談者の話になったのですが、建築仲間にも問い合わせがあったことが判明しました。

どうやら、パッシブハウス・ジャパン関係者にメール問い合わせをしているようで、ひょっとしたら他の方にもメールがあったかもしれません。

このように、情報収集の一環として、同時に多数の方にコンタクトを取られる方が一定数おられるのですが、ここではそのデメリットを書いてみたいと思いますが、結論を先に書くと「手当たり次第的なのはプロ側の印象が悪い」と個人的には思っています。

今回、問い合わせがあったのは、弊社(設計事務所)と工務店の建築仲間に連絡がありました。
この時点で、この方は家づくりの基本がわかっていないのかなと想像しますが、こういった方は話がまとまる(契約まで進む)ことが少ないので、ひとまず書いてあった質問に返信するだけの対応に留めましたが、印象が良ければ「一度お会いしてざっくばらんに家づくりの話をしませんか?」とご提案したと思います。

設計事務所と工務店で迷っていて両方にコンタクトをとった可能性もありますが、私個人が受けた印象は手当たり次第に連絡しているのかと感じました。

今回は、偶然問い合わせが多数であることが判明したと思われるかもしれませんが、パッシブハウスを含めきちんとした住宅を造っている方々は、一般の方が思っている以上に横でつながっていますので、世間話の中で判明することが結構ありまして、今回が初めてではありません。

よって、本当に良い家づくりのパートナーを見つけたいのであれば、手当たり次第でプロ側の印象を悪くして依頼を受け貰えない可能性を作るのではなく、(パートナーを見つけるために行う勉強や調査によって導き出した)一番良いと思う相手からアプローチした方が良いかと思います。

時短したいお気持ちは理解しますが、家づくりは何回も行うことではありませんので、パートナーはじっくりとお探しすることをお勧め致します。

 

3.住まい手の声001-House-HT編

・物件名/焼杉と土壁漆喰の家(2021.02竣工)
・所在地/埼玉県さいたま市
・規模等/在来木造2階建て、延床面積108㎡
・仕上等/外壁:焼杉、内装:デュプロン(イケダコーポレーション)、北海道産ナラ無垢フローリング(チャネルオリジナル)
・建具等/窓:高性能木製窓smartwin・APW430、日射遮蔽部材:外付けブラインド ヴァレーマ
・空調等/全館空調システム(ダイキンアメニティ+全熱交換型ダクト式第一種換気)
・性能値/Ua値0.34、C値0.2(漏気回数0.35回)

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こんにちは、私は「焼杉と土壁漆喰の家」の施主です。
このたび、丸山さんからブログへの寄稿のご依頼がありましたので、家づくりを振り返ってみたいと思います。
家づくりを検討されている方々の参考になれば幸いです。

きっかけは、建築展で知った「パッシブハウス」という、少ないエネルギーで快適に暮らせる家の考え方に共感したことです。パッシブハウスの考え方を取り入れた建築家について情報収集する中で丸山さんと出会い、設計を依頼することとなりました。

丸山さんは、私たちの想いを丁寧に汲み取り、斬新なプランを提案してくださいました。
例えば、生活の中心を1階にまとめ、2階はまるごと子供部屋という、ほぼ平屋のような間取り。
そして、リビング上は大胆な吹き抜け。
想像を超えるアイデアに、胸が高鳴りました。
特に、リビングを小上がりの畳にしたのは大正解。
ゴロゴロ寝転がったり、子供が遊んだり、多目的に使えるお気に入りの空間です。

土地探しから始まり、設計、施工、そして完成まで、約2年。
打ち合わせでは、例えば「収納はたっぷり欲しい」という要望に対して、丸山さんは「なぜ必要なのか」「何を収納するのか」を細かくヒアリング。
その結果、洗面所から廊下へ抜けるウォークスルーのファミリークローゼットを提案してくれました。帰宅後、すぐに手を洗い、着替えができ、洗濯後の服も廊下から収納できる、回遊動線がとても便利です。

また、キッチンについては、丸山さん紹介のメーカー、エクレアさんとの打ち合わせに毎回同席してくれたことが心強かったです。私たちの要望を正確に伝え、専門的な視点からアドバイスをくれるので、理想のキッチンを実現できました。海外製の大型食洗機も丸山さんからの提案で採用。予洗い不要なほどパワフルで家事の時短に大活躍しています。

予算オーバーという難題にも一緒に頭を悩ませ、納得のいく解決策を見つけてくださいました。
例えば、小上がりの畳の枚数を減らし、その分フローリングを貼ることでコストダウンしつつ、デザイン性もアップ。結果的に、メリハリのある空間になり、とても気に入っています。

完成した家は、夏も冬も驚くほど快適。高性能な三重ガラス窓(smartwin)は、真冬に鍋をしても結露知らず。また、玄関やトイレまで家中が均一な温度なので、ヒートショックの心配もありません。

デザイン面では、瀬戸内出身の私の希望で外壁に採用した焼杉は、個性的で帰宅のたびに「いいな」と実感。リビングの太い梁の現しは、迫力があり、空間のアクセントになっています。

「焼杉と土壁漆喰の家」での暮らしは本当に快適で、住み始めて約4年経った今もその満足度は変わりません。
この家は、第9回サステナブル住宅賞を受賞しました。
施主である私も評価対象になっている賞で、大変誇らしく思っています。
素晴らしい建物を設計してくださった丸山さんには大変感謝しています。
ありがとうございました。

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住まいを気に入って頂きまして、設計させて頂いた私も大変嬉しいです。
House-HTは、高性能木製窓・smartwinがまだ日本で実績のない頃にご採用頂いた思い出深い案件です。
販売会社(大丸工業)が外部へ初回出荷した数件の中の1件だったと記憶していますが、弊社も初めての取付なのにPHJで取付見学会をやるなど、思い返すと無茶なことしたと思いますが(笑)、それも良い思い出です。

弊社は、東京にある設計事務所で防火系地域の案件が多い為に、非防火窓であるsmartwin(今は防火窓もあり)は気軽には採用出来ませんが、その後も条件があった計画では採用することが多い窓になっています。

House-HTには定期的に伺って暮らしぶりをお聞きしていますが、既に4年の月日を暮らしていますので、空調の運転方法に始まり、外付けブラインドの開閉具合など、ご家族にあった使い方を見つけられて快適に過ごされているようです。

今後も、定期的にお話をお伺い出来ればと思っています。

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以上です。
今回もご愛読ありがとうございました。
次回以降も宜しくお願い致します。

ArchiAtelierMA株式会社
代表取締役 丸山晃寿

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