column029 湿気と結露を考える

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湿気を考える

住宅の屋内環境を考える上で、湿度管理はとても重要な議題です。
湿度には「相対湿度」と「絶対湿度」がありますが、一般的に耳にする湿度とは相対湿度のことを指しています。
どちらの湿度も空気中の水蒸気の量を示すものですが、この水蒸気のことや建築材料中の水蒸気・水分を総称して「湿気」といいます。

また、空気中の水蒸気がいっぱいになった状態を相対湿度100%と言いますが、空気は温度によって保有出来る水蒸気の量が決まっており、温度が高いほど保有量が多いです。
従って、温度が下がると余分な水蒸気が凝結し、大気中では「霧」となり、地表では「露」となり、ガラスや壁面では「結露」となるような現象が起きます。

例えば、夏場にアイスコーヒーなどのグラスが結露を起こすのは、湿った暖かい空気がグラスの表面で冷やされ余分な水蒸気が凝結した結果です。

冬場でも石油ファンヒーターなどで暖を採った場合は、水蒸気(と二酸化炭素)が発生するため、相対湿度が高くなります。その高湿な空気が冷えた窓ガラスにふれると、同じように結露が起こります。
尚、この結露を起こす温度を元の空気の「露点温度」と言います。

ちなみに、結露を起こしにくくする方法として「高気密高断熱住宅にする」という方法を聞くことがあると思いますが、これは窓ガラスの性能が良くなったので温度が下がり難くなるためです。
しかし、実際は条件さえ整えばどんな高性能な住宅でも結露は起こります。

 

結露を考える

ここまでのように、グラスや窓ガラスで結露している分には目に見えているので、実はさほど問題ではありません。
問題なのは、壁の中で結露を起こした時です。

窓ガラスなどで起こる結露を「表面結露」、壁の間で起こる結露を「内部結露」と言いますが、この内部結露が起こると目視出来ないために様々な問題へつながります。

例えば、凝結した水のせいでグラスウールが劣化する、柱や土台などの木材が腐朽するなど、躯体性能に影響を及ぼします。
また、結露まではいかないにしろ相対湿度70%以上の高湿度状態が続くと、カビやダニの発生を助長し、それが喘息などのアレルギー疾患につながります。

注意点として、表面結露はさほど問題でないと書きましたが、結露状態が続けば窓の周辺部材が劣化したりするので、きちんと窓を拭いたり、なるべく結露が起きないよう対策は必要です。

また、窓ガラスが表面結露していた既存住宅を内窓などで温熱改修した時は、窓ガラスでの結露はなくなったかもしれませんが、別の場所、要は内部結露へ状況が変化していることがありますので、総合的な判断が必要です。

では、湿気が全くなければ結露もしないということも言えますが、低湿度状態は例えばウィルスにとっては好条件であり、今度は我々人間にとって快適な環境ではなくなります。
要は、低湿度でもなく高湿度でもない、大よそ相対湿度40~60%ぐらいが健康な居住環境を維持出来る湿度ということになります。

始めにも書きましたが、この湿度を維持することが快適な屋内環境にとって非常に重要ですが、実際目指してみると非常に難しいことが分かります。
また、少なくても湿度を気にする前に、しっかりとした断熱性能により屋内温度管理が出来ていることが必要であり、快適な住環境を作るには確かな知識と技術が必要です。

結局は、断熱・気密・換気をしっかりと行うことが快適な住環境への近道ですので、1つずつ丁寧に設計することが肝要です。

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