M-BLOG 2025.07月号

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プロローグ

関東を含めて多くの地域で7月上旬には梅雨が明けるのでは?と言われていますね。
※公開時には梅雨明けしているかも(笑)

もう、心地よい春からジメジメした梅雨を経て熱い夏になる、という季節の移り変わりはなくなり、春から急に夏になるといった状況がすぐそこまで来ているのかもしれません。

それらの状況は、厳しい夏の期間が長くなることにつながるわけで、パッシブハウスのような「少なくても屋内にいれば快適」という場所は今まで以上に重要になると思います。

そんなわけで、家づくりをご検討中の皆様、、
これからの家族の快適な暮らしを考えて、パッシブハウスに住みませんか?

少なくても、パッシブハウス設計に準じたシミュレーションを実施する家づくりをお勧め致しますので、パッシブでサステナブルな暮らしにご興味があれば、是非弊社へご相談頂ければと思います。

それでは、今号の目次です。
1.「昭島の家」工事中01
2.「松戸の家」完成
3.パッシブハウスコンサルティングについて

今月は、弊社設計案件やコンサルの進捗状況をご報告です。
たまたまパッシブハウス認定に関わる話が多くなっていますが、パッシブハウスが世の中に浸透してきたと言えるかもしれません。

 

1.「昭島の家」工事中01

前回はエムブロ5月号でお知らせしておりますが、現場進捗の続報を書きたいと思います。

パッシブハウス認定を目指している本案件は、PHPPというエクセルソフトで暖冷房需要をシミュレーションして断熱性能を決めておりますが、それはどのぐらいの冷暖房設備が必要なのか、要は省エネ性能が具体的に判断出来るような設計をしていることにつながっています。

それが一般的な日本の住宅の場合は、断熱性能の分かる「UA値」という値は計算していますが、それではどのぐらい省エネで快適に生活が出来るのか?ということが物凄く大雑把にしか分かりません。

この冷暖房需要のシミュレーションは、一般的な日本の住宅と大きく違う部分の1つで重要なことなので、もしも家づくりのパートナーに迷っているようであれば、先のシミュレーションを行っているのかは判断材料の1つになるかと思います。

そんなシミュレーションをして設計された本案件の断熱は以下のような構成になっています。
・屋根断熱/付加断熱:ネオマフォームt90、充填断熱:セルローズファイバーt210
・外壁断熱/付加断熱:ネオマフォームt60、充填断熱:セルローズファイバーt120
・床(基礎)断熱/外断熱:防蟻EPSt100

弊社として、外壁にネオマフォームを採用する場合の標準的な仕様になっています。
尚、付加断熱のネオマフォームt60については、t90やt100といった厚みになることもありますが、それは日射取得量をシミュレーションする中で最適な厚みになるように調整しています。

さて、前置きが長くなりましたが、現場は外壁の付加断熱の施工を始めている所ですが、建て方後から外壁の防水・気密ラインが整うまでは気を遣う工程の1つです。

気密に関しては、弊社の一般仕様である構造用面材の外側で気密層を形成しています。
処理方法としては、気密テープ張りと最近取り入れ始めました制震テープ張りの二パターンがありますが、今回は予算のこともありまして、気密テープ張りを採用しました。

尚、気密テープ張りと制震テープ張りで気密性能に大きな違いはないですが、20年や30年といった長い目で見ると制震テープ張りの方が気密性能が維持されやすいとは思っています。

今後は、未設置の窓を取付けて、ダクトやCD管等の貫通部の処理が完了したら、中間時の気密測定を行います。
気密測定が完了するまでは何件経験してもドキドキなのですが、また次回以降でご報告出来ればと思います。

 

2.「松戸の家」完成

設計契約から2年半が経過している松戸の家が引渡しを迎えました。
長かったなあ、というのが正直な感想なのですが、まずは建物が完成したことに安堵しています。

この期間が長いことは、クライアントにとっても設計者である私にとってもメリットはほぼありません。
よって、なるべく当初予定した各設計工程の期間を守りながら進めていけると良いのですが、クライアント自身が期間よりもご自身の納得感を大事にされていた印象で、そういった価値観が色々な場面で影響したように思います。

さて、本案件も先ほどの昭島の家と同様に、パッシブハウス認定を目指している住宅です。
昭島の家とはボリューム感が倍ぐらい違いますが、断熱構成は先ほどと同じような感じです。
違う部分としては、松戸の家は樹脂窓のAPW430を採用しているので、日射取得面では昭島の家の方が優れています。
ここで、、
・昭島の家より日射取得が少ないのに、何故、同じような断熱構成でもパッシブハウスになるのか
という疑問がわくと思いますが、それは建物ボリュームが関係しています。

シミュレーション上、計算の分母が「床面積」になりますので、床面積が大きい方が有利なことが多いです。
見方を変えると、例えば、平屋の小さい住宅は不利になりますが、両方の住宅で生活したわけではない為に長期間の体感は想像の域を出ないですが、体感としての違うはさほどないように思います。

また、今回の2件に関しては、日射取得量の違いとボリューム感の比率がうまくバランスしていて、たまたま同じような断熱構成になったのだと思います。

要は、シミュレーション上でパッシブハウスになっているのであれば、同じような体感になると想定していまして、まずはシミュレーションして性能を整えることが重要だと思っています。

省エネ性能以外の部分については、クライアントの好みが反映されたデザインになっています。
裏を返すと、私の意見はほとんど採用されていませんが(笑)、住宅という特性を踏まえると、クライアントの満足感が高いのであれば、それはそれで良いとは思います。

色調としては、外観・内観ともにホワイトとライトグレーがベースになっており、鉄骨階段の手すりもホワイトで塗装しました。
一般的には、手垢等がついて汚れが目立ちやすいために濃い目の色をお勧めしますし、それを選択されるクライアントが多いですが、ホワイトとライトグレーに対するこだわりの強いクライアントでした。

また、床材については、水廻り以外の廊下やLDといった居住スペースもリノリウムを張りました。
私自身も初めての経験で色々と賛否がありそうですが、クライアント自身にはご満足頂いているようで、この住宅の特徴の1つになっていると思います。

その他、施主工事である外構や補修等の残工事、メンテナンスなどがありますが、それらは工務店さんにフォローをお任せしまして、設計・監理としての私の仕事は完了です。

今後は、クライアントにクライアントらしい住まい方を探して頂けると良いと思っていますが、技術的な不明点等があれば、引き続きアドバイスが出来ればと思います。

 

3.パッシブハウスコンサルティングについて

弊社は、他社さんが目指すパッシブハウス認定のお手伝い(以下、コンサル)をしていますが、現在は、竣工物件が溜まっている状況でして、多くの方をお待たせしています。

ここで、基本的な作業の流れをご説明しておきますと、、
1)PHPP等による初回シミュレーションを実施
2)性能が整うまでのアドバイス及び追加シミュレーション
※工事着工~竣工
3)認定申請の資料作成
4)PHJに認定申請
となっておりますが、実は、新規のコンサル依頼がありますと1)及び2)の作業が優先されます。

理由は、工事着手前にPHPP上で認定に必要な各性能値をクリアしている必要がありますが、基本的には私のOK(シミュレーション上で認定可の状況)が出ないと着工が出来ないためです。
着工が出来ないということは建物引渡しまでの期間が遅延することを意味していますが、それは先の松戸の家で書いたことと同じで、作り手側にも住まい手側にもメリットはほぼありません。
よって、工期などのスケジュールに合うように私の作業を進める必要があります。

基本的にはこのような流れなので、新規のコンサル依頼があると3)や4)の作業より1)や2)が優先されますので、竣工物件が溜まるという状況が生まれるわけです。

しかし、この状況が良いとは思っておりませんので、どこかで時間を作って申請資料作りを進めていきたいと思っておりますので、弊社にご依頼の皆様にはもう少々お待ち頂ければと思います。

―――――

以上です。
今号もご愛読ありがとうございました。
次号以降も宜しくお願い致します。

ArchiAtelierMA株式会社
代表取締役 丸山晃寿

 

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