今日は、最近の忙しさから解放されるべく、以前より行きたかった埼玉県立近代美術館で開催中の「インポッシブル・アーキテクチャー展」を観に行って来ました。
この建築展は、これまでに計画されながらも様々な理由で建築されなかった設計案が展示されており、、
「建築の不可能性に焦点をあてることによって、逆説的にも建築における極限の可能性や豊穣な潜在力が浮かび上がってくる」(以上、主催者挨拶抜粋)
そんなねらいのある展覧会でした。
展示には、黒川紀章や菊竹清訓の都市計画案や村田豊のポンピドゥー・センター設計競技案、磯崎新の東京都新都庁舎計画などがありましたが、近年で言えば、、やはりザハ・ハディドの新国立競技場が私としては眼を引きました。
この工事中止に伴う一連の話を私はよく知らなかったのですが、大規模建築物の建築に必要な耐火安全及び避難安全性能評価書や構造性能評価書は取得済みで、あとは大臣認定書を待って確認申請を行うトコまで進んでいた様です。
展示には、製本の厚さが合計30cmはあろうと思われる構造設計説明書を始め、実施設計図の製本の山がズラリと並べられており、ここまでやって中止って・・・設計者としては何とも言えない感情になります。
発注者であるJSCが設計側から提示されたコスト削減案になかなか応じなかったなどの経緯もあるそうで、まあ、あのまま建築されることが良かったのかは別にして、何で国のお偉い方はそういったことの決断出来ないのか、残念でなりません。
仕事の忙しさから解放されたかったのに、また悶々として帰る、って言う。。。
これも、ある種の商業病でしょうかね。笑