M-BLOG 2026.11月号

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プロローグ

10月だというのに空気感が秋めいてこない日々が続いていましたが、10月下旬から急に肌寒くなってきましたね。

リノベマンションの自宅は、室温は20℃ぐらいをキープしていますが、壁の表面温度が外気温に影響されるために同じ室温でも体感の違いを感じます。

しかし、パッシブハウスを始めとするきちんと断熱・気密された住宅は違います。

一昨日、昨年竣工した昭島の家(パッシブハウス申請予定)をご訪問したのですが、住まい手は朝晩の冷え込みに気が付いていませんでした(笑)

一昨日も朝は12~3℃ぐらいしかないそこそこ寒い日でしたが、訪問するとリビングの窓が開いていて「暑いから開けている」とのことで、同じ東京にいるとは思えない違いです。

この体感だけでも、これから家づくりをされる方々にはパッシブハウスをお勧めしますが、なかなかその良さを広めていけないもどかしさがあります。

う~ん、どうしたら良いのでしょうか?(笑)

悶々とする日々が続きます(笑)

それでは、今号の目次です。

1. 松戸パッシブハウスプラス認定

2. パッシブハウスのコスト問題

先日、弊社設計・監理の住宅がパッシブハウス認定を取得しましたので、今回はそのご紹介とそれに合わせて「コスト」について改めて書いてみたいと思います。

1.松戸パッシブハウスプラス認定

昨年7月に竣工しました松戸の家がパッシブハウス認定を取得しました。

千葉県では3件目のパッシブハウス認定住宅で、松戸市では初のパッシブハウス認定です。

松戸の気象区分は東京と同じ6地域になりますが、暖房度時では「東京/我孫子:49466/61130」と同じ括りとしていいのか?というほど違いがありまして、どちらかと言えば「八王子:63211」に近い値です。

※暖房度時は、値の多い方が「暖房期間が長い」との指標です

※松戸の近隣気象台が我孫子です

ちなみに、松戸市で使えるパッシブハウス認定用の気象データは「東京」若しくは「水戸」になります。

(暖房度時が「水戸:66631」なことを踏まえれば)気象条件的には水戸が近いですが、距離的には東京の方が近いこともあるために東京の気象データを採用しています。

よって、認定としては有利なデータを採用出来ているわけですが、パッシブハウス認定で採用出来る気象データは全国で40か所以下(2026.11現在)のために、多少はそういったことはあり得ます。

そこで、水戸データの場合はどうなるの?という、やらなくても良い比較をしてみました(笑)

※気象データ_Tokyo
※気象データ_Mito

水戸データでも同じ「パッシブハウスプラス認定」でした!

今回は、比較的余裕のある設計になっていた為にこのような結果になりましたが、それぞれの値に変化がありますので、少しその考察をしてみたいと思います。

まず、暖房需要にかなりの変化がありました。

これは、ざっくり書くと「断熱性能」や「外気温」「日射取得量」などにより上下します。

今回の比較では断熱性能は同じですので暖房期の「熱損失」と「日射取得」を比較した所、面白いことが分かりました。

※Tokyo
※Mito

平均外気温が水戸の方が低い為に熱損失が多くなることは分かっていたのですが、どうやら水戸の方が日射量が多いようで、損失と取得の差(お互いに+400程度)に変化がありませんでした。

この検証でわかること、それは、

やはり、日本で採用されている「断熱性能」を指標とした方法では正しい評価にはならない、ということではないでしょうか。

これまでも何度も書いていますが、日射の影響(取得と遮蔽)を3D解析によって評価できるところはパッシブハウスが優れている部分の1つだと思います。

これは、パッシブハウスでないと快適な住まいにならないということではありませんが、設計段階で正しい検証をすることが不要ということにはなりません。

よって、これから家づくりをされる方はパッシブハウス設計の出来るプロに依頼されることをお勧めしますし、その結果として、冒頭に書いたような体感を得られることにつながると信じています。

ちょっとマニアックな内容になってしまいましたが、最後に写真による物件紹介をしておきます。

2. パッシブハウスのコスト問題

ネットなどで調べると「パッシブハウスは費用が掛かる(高い)」という内容をよく見かけます。

私自身もご相談頂く方に建築費を聞かれる際は「掛かる(高い)」と回答してしまうことも多いですが、費用が高い・安いについては「何かと比較して」という条件・前置きが必ずあります。

例えば、建築費を聞かれた場合は「建売などと比較すれば」という条件で「高い」ということにはなりますが、「(光熱費やメンテナンス費用などの)ランニングコストを含めて」という条件であれば「安い」という回答になります。

要は、住宅にかかる費用は一概には語れないわけですが、家づくりをされる皆様が気になることの上位に「費用・コスト(以下、予算)」があるわけで、分かりやすい部分・説明が独り歩きする可能性を秘めているなあ、と個人的には思っています。

ここで1つご提案です。

家づくりを始める時は、、

・日々の暮らしを「どんな環境・住まいで過ごしたいのか?」

を考える・勉強するところから始めるのは如何でしょうか。

まずは、暮らしそのものを考えるということです。

・便利な都市部が良いのか?自然豊かな地方が良いのか?

・寒い/暑いや乾燥/結露/カビなどの対するご自身の感覚・感情はどうなのか

・デザインの良さに気持ちが上がるタイプなのか?気にしないのか?

・自然素材の良さが分かるタイプなのか?素材は気にしないタイプなのか?

・ご自身やご家族の健康を気にするタイプなのか?そうでもないのか?

など考えることは人それぞれではありますが、大きなことを言えば、人生そのものを考える感じです。

ここまで考えると、そもそも家を作る必要があるのか?といった疑問も湧いてくると思います。

住まいは持ち家だけが正解ではなく、一生賃貸でも良いかもしれません。

要は、予算を先に考え始めると本来の目的を見失う可能性があると思っていまして、その目的を見失わない為にも、正しい知識を習得して目的を明確にしておく必要があると考えています。

家づくりにおいて、予算に縛りがない(いくら使っても良い)という方は稀で、多くの方にある予算(家づくりに使える金額の上限)は大きな障害ではありますが、目指した暮らしよりもお金を優先させてしまったばかりに後々で後悔している方の話しを多く見聞きしてきたことを踏まえると、予算という障害に負けないで家づくりに邁進出来る知識や考え方を備える必要があると思いますが、、

皆様はどのようにお考えでしょうか。

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今号もご愛読ありがとうございました。
次号以降も宜しくお願い致します。

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執筆者の代表・丸山は、
★Certified Passive House Designer (パッシブハウスに関する資格)
★住宅医協会認定・住宅医 (改修・リノベ工事に関する資格)
両資格を有している国内唯一の建築士です。