プロローグ
結局、大した晴れ間のないまま、10月を迎えましたね。
ここまで晴れない9月は初めてというぐらい雨や曇りの日が多かったですが、いい加減に晴れてほしい(笑)
建築現場は、ある程度進めば天候の影響は少なくなりますが、着工当初はなかなかそうもいきません。
今年は、ナフサ問題で工事着工が遅れたりといったこともありましたので、工事の進まない一年となりそうで建築業界はなかなか大変です。
それでは、今号の目次です。
1. 住宅性能のセカンドオピニオン
2. 新築かリノベーションか問題
別会社の取り組みではあるのですが、個人的に思うことがあったので「セカンドオピニオン」について書いてみることにしました。
また、依然と比較して最近は、仕事の比重が新築からリノベーションへ大きく変化している印象ですが、改めて「新築」と「リノベーション」の選択問題を取り上げたいと思います。
1.住宅性能のセカンドオピニオン
先日、別会社である「株式会社あたらしいこと」の方へ温熱性能に関するセカンドオピニオンのご相談がありました。
差しさわりのない範囲でご相談者の状況を書きますと、
・アトリエ系設計事務所に設計を依頼して、家づくりを進めている
・現状は、設計事務所紹介の工務店と見積調整中で、契約も近い
ということで、まあまあ事が進んでいる状況でのご相談です。
ご相談者は、耐震や温熱に関してご興味がなかったわけではないですが、ある程度の設計事務所に依頼すればそれなりの性能になると認識していて、デザイン優先で依頼先を選択したとのことでした。
しかし、実際に蓋を開けてみると、ご相談者の想像したような設計内容ではなかったようで、特に冷暖房設備と換気設備については何度か設計事務所に確認されたそうですが、明確な回答を頂けなかったそうです。
これ以上詳しいことは書きませんが、、
以前より聞いたことがあるような「建物性能に興味がないアトリエ系設計事務所とのトラブル」的なことが今もあることにけっこう驚きました。
デザインが気に入っていることは住宅建築において重要な部分の1つではあるのですが、耐震性能や温熱性能が整っていないことは、暮らしの安全性や快適性が危険な状況にあることと同じです。
要は、「やってくれると思っていた」という認識の下で依頼先を選択することはまあまあリスキーな方法だと思いますので、「耐震性」「耐久性」「温熱性」「デザイン」に関してはどういった考えなのか?をきちんと建築士にお聞きして、ご自身の考えと合っているのかを確認することが重要だと思います。
最初の選択を間違えていなければセカンドオピニオンは不要なことだと思いますが、ここでセカンドオピニオン的なことで以前より気になっていたことを書きたいと思います。
これはご相談者からお聞きしたことがきっかけなのですが、
間取り・プランのセカンドオピニオンをする会社はけっこうあるらしいのですが、建物性能に関するセカンドオピニオンを行う会社はあまりないそうです。
まあ、インスタなどで間取り添削みたいなリールを結構見ますので、そういった需要があるということかと思いますが、、
実際にそれらの投稿を見た一般施主はどうするのでしょうか?
依頼している設計事務所や工務店にそれを指摘するのですか??
そういった投稿をみていると、これのゴールはどこなの?といつもモヤモヤします(笑)
確かに、実際に依頼した会社の建築士の技術や知識・提案が乏しかった場合は、どうしたら良いのか一般の方は悩まれるとは思いますが、ここで難しいことは、その建築士の技術等が乏しいかどうかを正確に判断できる一般施主も殆どいないという部分です。
施主の希望に対して紳士的に対応してくれないことは問題ですが、どうされたいのかといった希望や疑問を建築士にぶつけないと対応出来ないということもあると思います。
依頼している建築士と関係性を悪くしたくない、とのことで言えない施主もおられるとは思いますが、そういったことでは、依頼している会社に希望を伝えるきっかけとして、セカンドオピニオンを利用されることも選択肢としてはあるかもしれません。
最終的に、希望を伝えて関係性が悪くなるのであれば、それまでの関係だったとも言えます。
設計でも工事でも契約するとなかなか後戻り(解約)は大変で、時間と費用が無駄になる可能性はありますが、後悔するよりは良いと個人的には思っています。
今回ご相談頂いた方がどういったご判断をされるのかは分かりませんが、後悔のない家づくりになることを切に願うばかりです。
2.新築かリノベーションか問題
これまでのM-Blogでも書いていますが、物価と金利の上昇で住宅建築をされたい方にとってはあまりいい状況ではありません。
しかし、待っていれば状況が改善するわけでなく、今後10~20年ぐらいを考えると、今が一番安く住宅建築の出来る可能性が高いと思います。
そういったことでは、将来的に住宅を所有したいのであれば、早めに行動することが肝要です。
要は、今出来ることを見極めて住宅建築を検討することになるわけですが、その選択肢として、新築かリノベーションかということになるのだと思います。
さて、その選択を検討するにあたり、一般施主が考える最重要課題が「資金(予算・費用に同じ)」だと思います。
確かに、資金がなければどうにもなりませんので、最重要とお考えになるのも当然です。
一般論として、リノベーションの方が必要な資金が少なく出来る可能性はありますが、確実に少ない・安いわけでもなく、リノベーションと言えども内容によっては新築より高額になることはあり得ます。
ちなみに、中古住宅付きの土地を買って、新築かリノベかの選択の場合は、最終的に同程度の性能やデザイン性を目指すという条件であれば、リノベーションに資金的優位性はほとんどないと思います。
そういったことを考えると、実は最重要課題は「予算」ではなく、今後どういった暮らしをされたいのか?を長いスパン(30年や50年先を見通してという意味)で検討して、希望をなるべく明確にすることです。
さて、ここで議題に挙げている「新築」or「リノベーション」は、、
・中古住宅を所有している
・土地探し・物件探しから始める
で話が大きく違います。
まず、中古住宅(戸建てを想定)を所有している場合は、一番わかりやすいどっち?になり得る状況ですね。
こういったケースの場合は、依頼したい設計事務所や工務店(以下、設計事務所等)を早めに見つけた方が良いと思います。
はっきり言って、一般施主が悩んだところで答えは出ません。
実は、設計を始める前に「計画」「調査」という業務が存在しますが、新築の場合は設計業務に含まれてしまうことが殆どで、一般施主がそれを認識することはあまり無いように思いますが、リノベーション(改修に同じ)になるとそういうわけにもいきません。
リノベの場合は、実際にある建物を利用するために、その建物の状況を知る必要があります。
要は、建物状況も知った上で「新築かリノベか」という判断にもなり得ますので、どちらかを選択する前に設計事務所等の依頼先を決める必要があると思います。
一緒に悩んでくれる信頼出来る依頼先を見つけることは、先のセカンドオピニオンを利用するようなことにならない為にも、資金を考えることより重要なことだと言えるかもしれません。
すでに結論が出たように思いますが(笑)、次は「土地探し・物件探しから始める」パターンです。
この場合は、方法によって必要な予算が全く違いますので、「新築かリノベか」を計画段階で決める必要があるように思います。
まず、考えられる選択肢は、、
1)更地を購入して、戸建てを新築
2)中古住宅付きの土地を購入して、新築若しくはリノベ・改修
3)新築マンションを購入
4)中古マンションを購入して、リノベ・改修
4つ(正確には5つ)かなと思います。
この選択肢の中で資金的なメリットが出やすいのは、4)中古マンションリノベだと思います。
よって、資金計画が条件の最上位にあるようであれば、中古マンションリノベをお勧めします。
尚、マンションのデメリットとして、100㎡(30坪)を超えるような広さのマンションは少ないですので、大家族や家の広さにメリットを見出されている方には向いていません。
ここで、私が思う中古マンションリノベが合う方を挙げてみたいと思いますが、
・DINKSなど1~3人暮らしの方
・子供が巣立った年配のご夫婦
・家のメンテナンスが苦手な方
などは、戸建て住宅よりはマンションの方が合っていると思います。
最後に、
価値観は人それぞれで、様々な条件の中で住宅建築を検討されると思いますが、先にも書きましたが、一般施主の方々が悩んだところで答えが出るものではありません。
ちなみに、一人暮らしの私は中古マンションリノベを選択して良かったと思っていますので、わたしの話しをお聞きになりたい方はお気軽にご相談頂きたいですし、「新築・リノベ」「戸建て・マンション」問わずご相談は可能ですので、住宅計画をお考えの方はお気軽にご連絡頂ければと思います。
―――――
今号もご愛読ありがとうございました。
次号以降も宜しくお願い致します。
―――――
執筆者の代表・丸山は、
★Certified Passive House Designer (パッシブハウスに関する資格)
★住宅医協会認定・住宅医 (改修・リノベ工事に関する資格)
両資格を有している国内唯一の建築士です。
