M-BLOG 2025.12月号

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プロローグ

工事中だった現場が完了して、外出の機会がめっきり減りました(笑)

そうなると、自ずと事務所にいる時間が増えるので、溜まっていた仕事をすることになるわけですが、設計中の案件を中心に溜まっているパッシブハウス認定の申請図書作成やセミナーの資料作りなどをしています。

また、新事務所に引越してから落ち着いて事務所にいることもなかったので、依然片付いていない部分をどのように片付けようか思案したりと、ゆったりとした時間を過ごしている反面、刺激やメリハリがなくなって仕事へのモチベーションが下がりそうで怖かったりします(笑)

いずれにしても、現場があるような状況が続いていましたので、ここで少し事務所仕事に専念しようと思います。

それでは、今号の目次です。
1.インスタグラムでよく見るあれって
2.クライアントとのトラブル

最近、インスタで「こんな○○がいい」「○○はこうすべきだ!」的なことを建築士やデザイナーが紹介している投稿をよく見かけるのですが、いつも違和感を持ってみていて、、ちょっと思うことがあって書いてみました。
クライアントとのトラブルは以前に起きたことですが、インスタなどの「投稿」に引っ掛けて書いてみたくなりました。
その他、詳しくは本文をご覧頂ければと思います。

 

1.インスタグラムでよく見るあれって

インスタグラム(以下、インスタ)で何となく流れてくる投稿をみていると、「こんな○○がいい」「○○はこうすべきだ!」的なことを建築士やデザイナーが紹介している投稿をよく見かけます。

その内容は、プランのことに始まり、照明計画やトイレ収納の作り方、構造や断熱など温熱のことまで多岐に渡っていますが、建築士であるプロの私がみて「なるほど」といった参考になるようなことがあまりないことを踏まえると、どちらかというと一般施主向けの投稿だと思ってみてはいます。

それはそれでいいのですが、この投稿の目的って何なの?という疑問がわいて来るのですが、その1つは「
投稿者の知名度アップと仕事の営業」でしょうか。
一般施主が参考になりそうなことを投稿して、閲覧回数を稼いで知名度を上げて、最終的には仕事につなげるという流れですが、これが一番オーソドックスな理由かなと思います。
尚、本当にこれで仕事が増えるのか?と言えば、それはそれでそんな簡単なものでもないと思ってはいます。

次に考えられるのは、プロである投稿者の皆様からの単純な知識や技術の紹介です。
一般施主に知って欲しいという思いで投稿しているパターンで、一般施主が知識を得る方法としてはYoutubeも含めてSNSによる情報収集が主流になっているようですが、間違いなども見受けられるために注意は必要だと思います。

ここで一般施主にとって難しいことがあるのですが、営業投稿と技術紹介投稿の見分け方です。
プロの私がみれば、営業投稿がミスリードしているような場合も大抵は判断出来るのですが、一般施主には判断出来ずにそれらを鵜呑みにすることもあると思います。

更に、先にも書きました通りに技術紹介投稿にも間違いがあるので、何が正しい情報なのか?を一般施主がきちんと整理することは難しいを通り越して、ほぼ不可能なのではないでしょうか。

その結果として、依頼した設計事務所や工務店の設計士から提案されたことを信頼して判断すれば良いことも、フォロワーが多い(信頼ができるという判断)インスタの方を信じるといったよく分からない状況やたまたま得た情報が本当に正しければ家づくりに成功して、得た情報がニセ情報であれば失敗するという博打みたいなことにもなりそうです。

それで、何を伝えたいかといいますと、営業投稿も技術紹介投稿も「言い切り系」は注意した方が良い、ということ。

例えば、学者や研究者がテレビなどで意見を言う時に歯切れが悪いことがあると思いますが、理由は簡単で、そうだとは言い切れない条件が頭に浮かんでいるからだと思います。

同じことが住宅建築でも起こります。
1つの物事を決める為に、条件が1つしかない、なんてことは殆どなく、少なくても2~3つぐらいの条件の上で回答がある、ということになると思います。
それを考えると、本来であれば、クライアントに向き合って考えてくれている依頼先の建築士しか最適解である回答を導き出すことは出来ません。
また、依頼先の建築士があなたの希望が叶う最適解を導き出せないのであれば、そもそも依頼先として合っていますか?ということにもなるかと思います。

私個人的な意見として、正しい情報を伝えようとしている方や誠意のある方ほど言い切ることに躊躇すると思いますので、繰り返しになりますが、言い切り系には注意した方が良いと思います。

 

2.クライアントとのトラブル

私がクライアントとトラブルに陥る立場になるとは想像していなかったですが、その時に廻りの建築士仲間に相談したところ、皆さんそれぞれでトラブルになったことがあるようで、我々のような作り手と住まい手のトラブルは(大小あれど)それなりにあることです。

私個人の意見として、トラブルの際は当人同時で粛々と話し合いを進める(弁護士などの第三者に依頼するも含む)ことが良いと思っていますが、私のクライアントはトラブルの最中にGooglemapのクチコミにその内容を投稿しました。

私たち(私と工務店で対応していました)は、誰に話してもおかしくないような紳士的な対応をしていたと思っていますが、クライアント側が非紳士的な対応をとったことは残念でなりません。

あまり詳しいことを書くつもりはありませんが、ここで起こった出来事は、工事請負契約以外の口約束的なサービス工事が要因で起こったことです。
工事請負契約に含まれないわけですから、私の監理業務以外の出来事でもあるわけですが、最終的に私が責任を負わされることになりました。

まあ、(原因はさておき)工事遅延という状況にはなりましたので、監理責任が全くないとは言いませんが、遅延することは建て主と工務店を交えた三者で話し合いも行って了承は得ていましたので、全く何も対応していないということではないことは書いておきます。

さて、ここでの私の教訓は、簡単に口約束をしてはいけない、ということです。
私自身、契約等はきちんと実行するという考えの持ち主ではあります。
この時も、きちんと書類による契約という道を通っていれば、少なくても、私がクライアントから避難される状況は避けられた可能性は高いと思っています。

しかし、当時は「このクライアントであれば大丈夫(何かあっても話し合いが出来る、という意味)かな」と思って契約まではしなかったのですが、私の見る目がなさ過ぎました。。

ちなみに、私が金銭をお支払いすることで問題は解決したのですが、投稿自体は今でも見られます。
先ほど、詳しくは書かないとしましたが、(クライアントの言い分ですが)大よそは分かります(笑)

(私自身、消して欲しいと依頼もしていませんが)もう終わったことなので消してくれても良さそうですが、そういった配慮が無い方ということもそのことから分かります。

まあ、そのクライアントからすると「丸山はダメな奴だから気をつけろ!」的な情報提供のつもりかもしれませんが、その投稿をみて、心配してくれるクライアントやご自身の体験を投稿してくれるクライアントがいることも事実です。
また、その後も弊社に設計を依頼してくれる方もおりますので、大変有難いことです。

結局、この問題の本質って何なのか?ということを考えた時に、やはり相性なのかな、と思います。
「考え方・常識」と書いても良いですが、それらが違うと、打合せ中で説明しきれないファジーな部分の認識が全く異なる、という現象が起こり得まして、その結果、何かが実現出来なくなった時の言い分が全く異なる、ということにつながる訳ですが、今回もそれに近い状況だと思います。

書類による契約はファジーな部分を極力無くす、という行為だとも言えますが、口約束はファジーな部分がどうしても残りますので、(それなりの金銭が発生する)口約束は極力しない方がいい、ということを改めて認識しましたし、もっと相性を大事にしていこうと思った出来事でした。

―――――

以上です。
今号もご愛読ありがとうございました。
次号以降も宜しくお願い致します。

ArchiAtelierMA株式会社
代表取締役 丸山晃寿

 

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