プロローグ
あっという間に年が明けて一か月が経ちましたね。
皆さん、年始に掲げた目標に向かって進めていますのでしょうか。
私は、昨年からの目標・目的を継続中なのですが、すぐに結果の出ることではなく悶々としたりもするわけですが(笑)、それはそれとして、日々の業務を黙々とこなしている、そんな状況です。
さて、先々月同様に先月もあまり外出をせず、事務所仕事や途中で止まっていたリノベマンションの片づけをするなど自宅兼事務所に居ることが多かったのですが、そのせいもあって、暮らしについて少し考える時間がありました。
暮らし(生活に同じ)は日々の活動の連続のことです。
そこには、良いことも良くないこともあるわけですが、何もしないと良くない部分は改善されません。
しかし、日常で何かを変えることは簡単なことでもなく、多少の努力が必要だと思っています。
何が言いたいかというと、「快適な暮らしは、小さな努力の積み重ねで出来上がること」だなと改めて思った次第です。
それでは、今号の目次です。
1.パッシブハウスでの暮らし方
2.自宅マンション・冬を迎えて
先の暮らしの続き的なことですが、冷暖房が必要な期間をどのように暮らすのか?を考えることは、「快適」と「省エネ」のバランスを考えることと同意で、それはサステナブル社会を考えることにも繋がります。
今回は、2つの温熱環境での暮らしを紐解いてみたいと思いますが、皆様が(温熱環境的な)暮らしを考えるきっかけとなれば幸いです。
1. パッシブハウスでの暮らし方
パッシブハウスは、冷暖房需要を検討する要素として、断熱構成や日射取得・遮蔽などがきちんとシミュレーションされて設計された建築物です。
よって、少ないエネルギーで快適な暮らしが得られる住宅建築も可能ですが、住まい手が何もしなくても快適になるとは少し違い、例えば、夏にきちんと日射遮蔽をしなければ、あまり冷房も聞かず不快になることもあり得ます。
要は、パッシブハウスと言えど住まい手によって如何様な環境にもなるのですが、住まい手が正しい方法で手を加えると、きちんとやりたい環境にすることが出来る性能は有しています。
さて、そんな前提を踏まえて、弊社のクライアント(以下、住まい手)がどのようにしてパッシブハウスで暮らしているかを少しご紹介したいと思います。
・軽井沢モダンバーンパッシブハウス
避暑地である軽井沢に建つセカンドハウスです。
完成してから4年の月日が流れていますが、現在は月の半分ぐらいはセカンドハウスを利用されているようです。
私も完成してから何度かお伺いしておりますが、殆どが暖房の必要な冬だったので、冬に関することを書きたいと思います。
まず、お伺いした時に暖房機器(エアコン若しくは薪ストーブ)が使われていた記憶がほぼありません。
寒い軽井沢とは言え、日射取得がある状況であれば、無暖房は可能です。
さすがパッシブハウスですが(笑)、曇りや雨の日もあったのですが、その時も暖房機器は動いておらず。
室温も18~19℃ぐらいだったと思いますので、温かいという感じではないですが、通常より一枚多く来ていれば問題が無い、そんな温度感ですね。
要は、パッシブハウスだからTシャツ1枚で過ごしたいということではなく、冬としての季節感を大事にしていて、なるべく衣服の強弱でコントロールしている感じです。
ちなみにですが、こちらの住まい手から省エネという言葉は余り聞かないので、節約・我慢しているということではなく、元々そういった暮らし方を好まれている方という印象です。
・昭島パッシブハウス(申請予定)
東京多摩地区に建つ、ご夫婦のための2階建て住宅です。
昨年11月にお引越しされたばかりですので、まだ暮らし始めて2か月程度です。
暮らし始めて当初言われたことが「暑い」です(笑)
状況をお聞きすると、外付けブラインドは開けっ放しとのことでしたので、ブラインドの角度で日射調整(遮蔽でない)してみて下さい、とお伝えしました。
その後、温湿度計を設置してモニターしていたのですが、1階BRが2階LDKと比較して室温が低く16~17℃ぐらいでした。
エアコンを使わないのか?とお聞きしたところ、やり過ごせるので使っていない、とのこと。
こちらの住まい手も先と同様に元々の暮らし方という感じですが、先の住まい手と違う部分として省エネの観点も持っています。
具体的には、蓄電池システムを導入しているのですが、蓄電量をきちんとモニターしています。
なるべく電気を購入しないで暮らせる住まい方を模索している、という感じなのですが、ゲーム感覚で取り組んでいるようで、肩ひじ張らずに続けられる1つのやり方だと思います。
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今回は、暖房機器を使用しない暮らしをされている方のご紹介ですが、二組とも我慢しているという感じではありません。
また、上記した室温17~18℃は一般的な住宅のそれではなく、周壁温度が室温同等の状況の為、それなりに快適です。
ここまで書いて思うことは、
・日本人的省エネ手法である「我慢する」を実践しても、快適に過ごせるのがパッシブハウスなのかもしれない
ということ。
どんな住宅で暮らしても、どんな暮らしを実践してもそれぞれの自由だとは思いますが、それぞれの住まい方が「省エネで快適に体現できる」住宅であるパッシブハウスはお勧めだと、改めて感じました。
2.自宅リノベマンション・冬を迎えて
以前にも書いていますが、我が自宅兼事務所はシングルガラスアルミサッシが4つあります。
床面積は50㎡程度ですが、面積比率(窓面積/床面積)は一般と比較して高い為、窓の影響を多分に受ける住宅です。
今のところは温熱環境を検証中なこともあり、窓の対策は何もしていない状況ですが、夏の冷房期間はそれなりの温湿度感が維持されて快適に過ごせました。
しかし、冬になって夜の窓からの冷輻射及びコールドドラフトが気になるようになりました。
室温は19~20℃ぐらい(暖房設定温度20.5~21.5℃)ですが、無断熱とした外壁面(RC素地+ガイナ塗装)の温度は17.4℃となっています。

尚、断熱(ネオマフォームt66)された外壁面は20.2℃となっていますので、断熱された効果が分かります。

次に、窓付近の床温度を計測すると、14.3℃となっています。

外気温(7℃程度)を考えると思ったほどではないですが、他部分との温度差があるために冷気として寒さを感じる状況ですね。
掲載した温度は全て「19時頃」のものです。
当該部分は、昼間もさほど温度が高くなるわけではなくですが、夜のような冷気が気になることはないように思います。
それらを踏まえると、あと1~2℃ぐらい窓からの影響が少なくなれば、気になるという状況が解消されるのでは?という淡い期待をしています(笑)
今年の夏(冷房期間前)には、掃き出し窓(2箇所)にハニカムサーモスクリーンを設置予定ですので、今の環境がどのように改善されるのか非常に楽しみです。
最後に、今の環境が一番悪い環境なことを踏まえれば、このリノベで行った温熱設計は比較的上手く行ったように思いますが、次回以降の案件ではもっとうまく出来るように更に検証を重ねていきたいと思います。
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以上です。
今号もご愛読ありがとうございました。
次号以降も宜しくお願い致します。
ArchiAtelierMA株式会社
代表取締役 丸山晃寿
