column025 第4回日本エコハウス大賞

建築業界には、いろいろな団体で主催するたくさんの賞(アワード)があります。
例えば、日本建築家協会(JIA)では「日本建築大賞」や「環境建築賞」、東京建築士会では「住宅建築賞」や「住宅課題賞」などを開催しています。
その意味合いにおいても、建築士が世の中に認知されるために挑戦したり、より多くの方々に良い建築を知ってもらうために団体が開催したりと様々です。

日本エコハウス大賞もそんなアワードの1つで、建築知識ビルダーズという住宅専門誌が主催しています。
この賞の特徴は、意匠性が重要視される賞が多い中で、意匠と(温熱)性能の両面において優れた住宅を評価しているところです。国の基準を超えたレベルで温熱的に優れた住宅建築を設計または施工する全国の実務者が応募する賞で、今現在、建物性能をきちんと評価してくれる唯一の賞だと思います。
この賞のように、性能という部分にフォーカスを当てている建築賞が殆んどないことを考えると、今の時代背景を反映した大変貴重な賞といっても過言ではありません。

その第4回日本エコハウス大賞ですが、先月ビッグサイトで大賞の公開審査と表彰式が行われました。
弊社の設計監理した「木と樹の家@小日向」は大賞にノミネートされ、公開審査の結果、優秀賞を頂くことが出来ました。また、協賛賞である「オスモ&エーデル賞」も頂き、ダブル受賞という嬉しい結果となりました。

この「木と樹の家@小日向」は、東京都文京区という都市部の住宅街に位置する計画でしたが、敷地周辺を隣地建物に囲まれており、温熱環境を検討する上で大変厳しい条件でした。
その条件下でも快適に暮らしたいとのお施主様のご要望に応えるべく「都市部らしい開放感を目指す、躯体強化型エコハウス」をコンセプトに設計しました。
分かり易い「開放感」で言えば窓を大きく取ることですが、隣地建物に囲まれた条件では窓を大きくとることが快適に繋がるとも限りません。
従って本計画では、開閉を明確にすることで開放感にメリハリを出し、快適な環境を作ることを目指した結果、1階と2階のプライベートエリアは「都会の喧騒から逃れて静かに暮らす」イメージとして、窓は必要最低限としました。また、その数少ない窓からは緑が見えるように工夫をすることで、外部とのつながりも意識しました。
反対に、屋上と地下のドライエリアへの出入口は大きな窓を設置して開放感が出るように演出。地下アトリエにおいては、地下とは思えない開放した空間を得ることとなりました。

高断熱高気密住宅に代表されるように躯体性能を上げることは、住宅建築にとって重要な要素の1つですが、それだけでは良いものにはなりません。本計画でも、様々な要素と1つ1つ丁寧に複合的に向き合いながら、答えを導き出しました。そして、その結果が受賞につながったとすれば、大変意味のあることだと改めて思います。

先にも書きましたが、今ある多くの建築賞は、意匠性が重要視されていることが多いです。それは「環境」と名のつく賞でもその傾向は払拭されません。
確かに意匠性も建築において大事な要素ではありますが、本当に住まい手のことを考えて設計しているのか疑わしい建築が多いのも事実です。
日本エコハウス大賞では、意匠と性能が評価されます。
これはとても重要なことで、この賞を通じて一般の方々が「あるべき住宅建築の姿とは?」を考える良いきっかけになって欲しいと思います。