column003 設計事務所と工務店の違い

家を建てる場合、基本的には設計事務所・工務店・ハウスメーカーのいずれかへ依頼する必要があります。どこが良い・悪いはなくそれぞれに一長一短があり、自分にあった会社に頼むのが一番良いと思います。

例えとして、建て主に明確な家づくりへの考えがあれば、どこに依頼しても同じ家を造ることも可能だと思います。しかし、建築関係者でもないかぎり(もっと言えば、建築関係者でも)そこまで明確なものを持つことは難しく、大抵はいくつかのキーワードを持っている程度かと思います。従って、各会社はそのキーワードを聞いて家づくりをするわけですが、ここでそれぞれの会社で違いが出ますし、一長一短が現れてきます。

では、その違いや一長一短って何だろう、ということですが、今はインターネットなどで基本的な違いは調べられると思いますので、今回は私見を書ければと思います。
また、ハウスメーカーについては「工務店が全国各地で均一化された会社」ということで割り切り、「設計事務所」と「工務店」の違いに絞ってまとめさせて頂きます。

簡潔に言うと、、、
・設計事務所は、新しいことを積極的に取り入れて家を設計する
・工務店は、ポピュラーな技術を使いコストバランスをみて家を建てる
ということに尽きると思います。

もちろん、新しいことを積極的に取り入れる工務店もありますし、同じことを繰り返す設計事務所もあります。しかし、工務店が家を造ることで報酬を得ている限りコストは気になりますし、同じことを繰り返す設計事務所がポピュラーな技術を繰り返しているとは限りません。また、設計事務所とて建て主の予算を見て設計するわけでコストは気にしますが、新しい技術が高かろうが安かろうが自分の報酬には関係ないため、そこまでシビアに考えていなかったりします。(施工単価で設計報酬を決めている会社は別ですが・・)それに、工務店の気にするコストはそれらが高いか安いかだけではなく掛け率も含まれます。

分かりやすい例として、例えば断熱材を何にするか?となった時に、同じ性能なら、工務店はより安く手に入る材料を選ぶが、設計事務所は目新しさや環境に良いなど付加価値に基準をおく。設計事務所は高いと言われる所以はこういったことの積み重ねにある、と私は思っています。

まとめるとこうです。

デザインや付加価値に家づくりの基準がある建て主は設計事務所に、建物性能そのものに基準がある建て主は工務店に頼むのが基本的な選び方かと考えます。ちなみに、設計事務所に「デザイン」という項目を選んだのは、デザインを求めることも付加価値と考えるからです。かっこいい建物は一般的な納まりをしていないことが多く、お金がかかっていると思ってほぼ間違いないです。
実はここに工務店はかっこよくない、となる理由も含まれます。何故か?デザインすることは利益率が下がることに繋がるからです。また、かっこよく難しいデザインを考えても造るのが自分たちなので、納まりを知っているがゆえに一般的な方へ行きがちになります。
念のため付け加えますが、一般的ということは施工精度の均一化や防水性等の建物性能の担保につながる要因でもあるので悪いことではありません。

何度も書きますが、設計事務所と工務店で良い・悪いはありません。目指すべきことや報酬の得方が違うだけで多くの皆さんが真面目に家づくりに取り組んでいます。
なので、あなたが建て主であるならば自分の目指すべきことを知り、設計事務所や工務店の特性を知ることも家づくりの大事な要素の1つかと思いますが、皆さん如何でしょうか。